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第13話
閉店作業をしながら、これまでの不思議なお客さん達のことを考えていた。
みんな、どこか現実離れしていた。
それに、語る出来事がどこかで聞いたような気がする。
ふと、今日買い取った古い絵本が一冊、他の本の上にぽつんと置かれているのが目に入った。
この絵本は.....
なんとなく手に取り、ページを開く。
「──あれ?」
絵本に描かれていたのは、
昨日の女性が話していた出来事とほとんど同じ内容だった。
ページをめくるほどに、
昨日の会話が絵本の絵と重なっていく。
もしかしたら、あのお客さん達は……
どこかのおとぎ話の“誰か”だったのかな。




