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第4話 幻の食材を求めて

「うぁ~~暇だ~。」

そんな声がパブ内に響いた。

「おいおい。お前そんなに気が短いほうだったか?」

「だって~。私がここで働き始めてから3日立ってますけど、誰も来ないじゃないですか~。」

ミミの言っていることは確かだ。このパブはうわさを聞きつけてやって来る変わり者が多い。つまり、人が来るか来ないかは完全に運次第なのだ。

「いいじゃないか。ここで働いている限り毎日3食快適な個室あり。なおかつ優しいイケメン獣人マスターもついてくる。まさに最高の職場だろう。」

「自分で言ってて恥ずかしくないんですか。」

「うっ、心に鋭い痛みが!おのれミミ!」

そんな会話をしていると、チリンチリンとドアの開く音がした。

「いらっしゃいませ!どんな御用ですか?」

ミミが元気な声で出迎える。そして俺は入ってきた客の装備を見る。

性別は30代くらいの男。主に革でできた装備を付けていて腰に短刀が一つ、、、トレジャーハンターだろうか?

「いやー、ここ当たりに珍しい料理が出てくると聞きまして。来ちゃいました。」

男は気さくに答えた。ミミはこちらをちらっと見てニッコリと笑った。

「ここのパブは確かに珍しい料理は出ますけど、自分で調達するシステムなんですよ。それでもやります?」ミミがいたずらっぽく男に言った。

「もちろんです!さあさあどんな食材でも取ってきますよ!」

自信満々に男は意気込んでいる。これはもう激レア食材を取ってきてもらうしかないようだ。

俺は手元の資料をパラパラとめくった。


「それじゃあ、幻の食材でも取ってきてもらおうかな。ゲンソウロウっていうキノコなんだけど、近くのダンジョンのあるところにしか存在しなくて、、、」

「もちろんです!それでは行ってきます!」

そう言ってダンジョンへと男は走り去っていった。「ちょっと~場所の地図~」とミミは男を追いかけていった。

~ダンジョン内部 第11階層獣の森~

俺の名はシゲル トレジャーハンターをしている。最近『白銀の翼』が全滅したダンジョンに色々なお宝があるかもしれないと聞いてやってきた。珍しい料理が目当てなのは確かだが本題はお宝だ。

「どんなお宝かな。金銀財宝か、強い装備か」

そんなことを考えていると、目の前の木の根元に不思議な形をしたキノコがあった。咄嗟に資料と見比べる。まさしく今回の食材、ゲンソウロウだ。

「ラッキー!さっさと回収してお宝探すか。」

そうして俺は小さな檻のような形をしたキノコに触れた。


パクリ


気が付くと俺の目の前には大量の宝箱があった。

「うお!なんだこれ!?お宝ばかりじゃねえか!金銀財宝に見たことないアイテムまで!うっひょ~!」

そう言ってお宝につかみかかる。どんなに袋に入れてもなくならない。こんだけあれば大金持ちだ。俺は宝を袋に入れこむことに夢中になっていた。


「あまりにも遅いと思って見に来たら大変なことになってんな。」

もう日が暮れるのに戻ってこないから俺はここまで見に来たのだ。しかしそこには今朝来た客の姿はもうなく巨大なキノコの中にスライムのようなドロドロした物体が何か叫びながら身を震わせているだけである。

「ゲンソウロウは相手に幻覚を見せて吸収する食人種だからな。採るときは遠くから攻撃しないといけなのに。」

そう言って俺は愛鎌をキノコに向かって投げる。弧を描きながらスパスパとキノコを刈り手元に戻ってくる。俺はキノコにつかまった哀れな客をそっちのけに食材を回収して帰っていった。


~パブ内~

「ん~。これすごくおいしいですね!」

耳をぴくぴく動かしながらミミが言う。

今日のご飯はゲンソウロウを使ったシチューだ。ゲンソウロウは恐ろしい危険な生物だが、非常にうまい。苦みも控えめで旨味成分を大量に持っている。

「あの人も、本職そっちのけで来ていれば、助かったと思うんだけどな。残念だよ。」

俺はもしかしたらここで共に飯を食えたであろう人のことを考えながら今日も一口味わって食べた。


どうも士田傭兵です!

皆さんはキノコは好きですか?僕は良くも悪くもないです!

今回からは、この物語のちょっとした豆知識を紹介しようと思います!

ということで今回は、この物語に深く関わってくるダンジョンについてです。

このダンジョンは、勇者が世界を救ってからできたもので、誰も完全攻略ができていないんです!

現在は第6階層まで攻略されていて、これはすべてエイキのソロによる攻略です。

今回の階層は11、前回は10でした。一番地表に近いのが12階層なので、まだ半分しか攻略されていないことになります。次回は何階層が出てくるのかお楽しみに!

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