表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/54

2-2 新居

玄関のドアが開き、ふたりで並んで中へ足を踏み入れた瞬間、律子は思わず息を呑んだ。

これまでにも何度かこの街を訪れていたけれど、「ただ訪れる」のと「ここで暮らす」のとでは、まるで心の重みが違っていた。


圭祐が新婚生活のために用意してくれたのは、水辺の向こうに広がるダウンタウンの一帯が望める高級コンドミニアムの一室。

広々とした玄関から階段を上り、廊下を抜けてリビングへと足を進めた律子の目に、思わず声を飲むような光景が飛び込んできた。


大きく切り取られた窓の向こうには、すぐ目の前にヨットが静かに揺れるハーバーと、その先に穏やかな水面をたたえたフォールスクリークが広がっていた。

水の向こうには、ガラスに光を反射させる高層ビル群が立ち並び、バンクーバーのダウンタウンが一望できる。

視線を少し上げると、空の青さと、遠くに連なるノースショアの山並みがひとつの絵のように重なっていた。


「……すごい……」


自然とこぼれた声は、リビングに静かに溶けていった。日が傾き始めた午後の光が室内にも柔らかく差し込み、まるでこの新しい暮らしのスタートを祝福してくれているようだった。


「こんな素敵なビューを見ながら、毎日お料理したり、リビングでくつろいだりできるなんて……」

律子は心からそう思った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ