11.vsドラゴン2
目を思いっきりつむったときだった。
……ん?
あれ?生きてる?
なんで?
目を開けるとそこには弾速がものすごく遅いブレスの姿があった。
あれー?
ほんとになんで?
ドラゴンの方見てもなんか動きゆっくりだし、泉の水面もゆっくり動いている。
んーーー?
あっ!もしかしてスキル?
でもどういうスキル?
私ブレス出される瞬間なに思ったっけ?
えーーっと……ほんとに何思った私?
強いて言うなら死にたくない!とは思ったけど……
まあいつ解除されるかわかんないしとりあえずブレスの当たらない位置に動きますかね。
うーん、謎だ。
なんでこんなに世界がスローに流れてるんだろ?
まあスキルが関係してることは確定として、私どんな意思を持ったっけ?
さっきも言った通り、死にたくないとしか思ってないと思うんだけど……
もしかして、
死にたくない=ブレスを避ける
みたいな?
普通にありそう。
でも、なんか引っかかる。
その瞬間だった。
!?
頭がっ
頭が痛い。
もしかしてこれ脳の処理能力最大にしてる?
うん、きっとそうだ。
確か普通人間って脳を七割くらいしか使ってないらしくて、最大で使ったら時間がゆっくり流れているように感じるらしい。
やばい。
まじで頭が割れる!
ちょっと、まじで、ふざけてる場合じゃない!
冗談抜きで痛い。
でも気絶したらここで死ぬ!
なんとか耐えないと!
バシュッ
ん?お?良くなった。
効果切れたのか。
ふーもう疲れた。
もうドラゴンと戦う気にならないんだけど。
でも……あれ、使いこなせれば大きな武器になりそうだし、ちょっと練習したいな。うん。
まあ、それができるのはこの場を切り抜けてからなんですけどね。
さーて、ドラゴンの様子見ますか。
どれどれー?
うん、急に私いなくなったから探してるね。
でも、このドラゴン絶対に察知能力に長けていそうだし、少しでも油断したら一瞬で首が飛びそう。
まじで怖い。
もうほんとに。
さーて、どう切り抜けますかね。
久しぶりに前世の知識を使う機会に巡り会えたんだ。
最近はそんなの関係ないような数の暴力とか、圧倒的な個の力とかでそれどころじゃなかったからね。
しっかり楽しまないと!怖いけど。
でもどうする?
相手は身体能力においては何もかも格上。
でも、頭脳はさっきの大群よりは良いとしても所詮魔物基準。
こちとら【meg】ですよ?
なんとかなるって。
まずは体の特徴探しから。
体長は7mくらい。
形状はティラノサウルス型。
攻撃はブレスと噛みつきかな?
歯の形状が虎とかに似てるからね。
発達している部位は足と胸。
これは、素早い足で近づき噛みつきで一発。
または、ブレスで待って、近づいてきたところで噛みつき。
とにかく相手の主要ウエポンは噛みつきだろうな。
でも、普通にブレスも殺傷能力高いから近づくのも大変なんだよなー。
まあ、ブレスを撃ってる間は動けないっぽいしその間に近づけばやってやれないこともないようなあるような……
とりあえず作戦としては、
相手のブレスを撃っている間に近づいて、斬る。以上!
これくらいしかわからないんだよなー。
あと、注意すべきは素早い足だね。
一気に近づかれて相手のペースに持ってかれたらもう勝ち目ない。
私のペースで戦わないと。
よし、行きますか。
−−−−−王国−−−−−
「ライルセルダンジョンの例の崩壊の現在の様子は?」
「そうですね……はっきり言うとよくわかりません。あのダンジョンはそこまで危険性の高い魔物はいないはずです。なのに……もう常識が通じません。」
「うーむ。そうだな。あのダンジョンに送る目的は犯罪者の実質の死刑が目的だが、それは食料がほとんどなく、あったとしても火を通せない。そういう刑なんだがな…。このままではダンジョンの近くの住人にも被害が出る。早急に対処しろ。」
「わかりました。」
−−−−−泉−−−−−
はー?まじでなんなんだよ?
動き早いのはわかってたけど流石に車並みのスピードはだめだろ。
ほんとにキャラデザが狂ってやがる。
何が起きたかって言うと、それは5分前
《5分前》
なんか、意外と相手の攻撃をいなせてるしなんとかなってるな。
このまま行けば勝てるんじゃね?
そんな希望を抱いたときだった。
それにしてもこいつほとんど動かないな。
まあ、そのほうが体がでかいから的になってやりやすいから良いんだけどね。
ダダンッ
ん?
足を踏み鳴らしてる?
なんで?
うーーん?
わからないけど、とりあえず切り続けますか。
バシュッ
……え?
なんで私怪我してんの?
私の肩からは大量の血がドクドクと流れ出していた。
《現在》
まじで、やばい。
失血死する。
と、とりあえず泉の中へ。
バシャンッ
この隙きをあのドラゴンが見逃してくれるかどうかで今後の状況が決まる。
再生と泉の2つの力を使って回復してもおそらく1分くらいかかるだろう。
でも、絶対にそんなの待ってくれるわけない。
目の前に格好の獲物がいるのにそれを狙わないなんていう愚行を犯すなんて考えられない。
まじでどうする?
死にたくない。死にたくない。死にたくない!
せっかく逆境に打ち勝ってやるって誓ったばっかりなのに!
まだ……死ぬわけにはいかないんだよ!
その時だった。
願いが通じたのは。
え?
これって…え?
私の周りの時間がスローになっていた。
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