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【なろうラジオ大賞3】参加作品

時計の街

作者: 鷹野 進

 

 雪が降る夜。

 十二月の三センチ手前に、時計の街はあった。


 三角屋根の家々には、大小さまざまな時計が飾られている。


 街の中心には、高い高い時計塔。

 その大時計がカチリと針を進めた。


 リンゴン、リンゴン、リンゴン


 雪空(ゆきぞら)に鳴り響く鐘の(おと)

 街中の時計たちが、大時計に合わせて歌う。


 りん、りん、りん

 ちりりん、ちりりん

 かーん、かーん

 かちこち、かちこち


 しんしんと降る雪に、埋もれかけていた街が息を吹き返す。


 ちゃりん、ちゃりん、ちゃりん

 らん、らん、らん

 ごーん、ごーん、ごーん

 るりりりん、るりりりん


 カチリ、と大時計が針を進める。

 ぴたり、と時計の音が止む。


 あとには静寂が残された。




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― 新着の感想 ―
[良い点] わぁ!とてもすてきです。頭に絵が浮かんで、鐘の澄んだ音が響きました。 この街に行きたい何日か住みたい、と思わず願ってしまうような空気感。ひんやりしつつ温かい町並みが浮かび上がりました。 …
[良い点] 絵本のような作品ですね。 音が本当に聞こえてくるようです。 そして、時計の音って急かすイメージが強いけど、そうじゃないんだなとハッとさせられました。
[一言] 2回目の感想失礼します。 3センチ前が気になりまして、もしかして時計の街自体が文字盤の上を移動するイメージでしょうか? 鐘の鳴った夜は、12月に入った瞬間の鐘だから、一番数が多く鳴り響いた…
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