茶番劇ソロパート2
腕を撫でながら私は笑う
「さーてこれはなんでしょう?ねぇ?叔母様」
私は叔母の『サイレント』を解く
「私はやっ……っ!?私が鞭で何度もぶってあげたのよ!?」
『トゥルーウィスパー』により、叔母の口から出たのは釈明でも法螺でもなく、本当の言葉だった
自分でも愕然としたようだ
自白のような魔法はそう簡単に見付けられるものではない
「何度も何度も、誰かに助けを求めようとすれば打たれ、何かを失敗すれば打たれ、何もなくとも打たれ、私は何度泣いた事か」
叔母を冷たく見下ろす
「なんでですかねぇ?」
叔母は此方を睨み上げ激昂のまま声高々にさけびちらす
「私は悪くないっ!
あんたの母親がソフィアが憎かった、好きだった男も手に入れ、王妃とも親友でっ、何でも恵まれてるあの子が憎かった!!
ソフィアに似たあんたの事だって憎かった!!」
その後も何か言おうとしたが、再び『サイレント』をかけておく
後はありきたりな罵詈雑言で意味は為さないだろう
私は再びシーツを翻して踊る
「さて、クエスチョン、私の部屋はどこでしょうか?」
屋根に腰を下ろし瓦を撫でる
「殿下、探してみてください、私のお部屋」
『オールドレイン&グラビティア』を解き、館の中に入るように促す
叔父家族らは魔法で動けずその場でもがいていた
彼が屋内に入るのをみてから皆に答えを告げる
「殿下にはナイショね?私のお部屋は、ジャーン!!あのちっさな離れです!!素敵でしょ?」
皆が寂れた離れの方を振り向く
蚯蚓脹れの痕といい、離れといい、どうやら私の境遇がわかりはじめたようだ