夏休み
皆さま今年も本日で最後の日となりました。
いつもご愛読ありがとうございます。
根強く毎週読んで下さっている方々がいて下さるお陰で、いつもそれが励みになり今年も頑張って来る事が出来ました。
今年も大変お世話になり、ありがとうございました。
皆様良いお年をお迎えください。
それでは本日から四日間の連続投稿をお楽しみ下さいませ。
来年も皆さまにとって良いお年になりますように。
なんて悲しい事態なのであろう。
だがのどちんにこんな話はできないので
「ね!
宿題がなければ尚よかったのにね」
と話を合わせておく。
「うわぁ〜。
それ言っちゃダメ〜。
宿題なんかもう既に忘れていたのにぃ〜」
そう言いながら両目に右手を当てるのどちん。
「まぁまぁ、読書感想文が無かっただけ良かったじゃん。
まだマシよ。
プリントとかワークの宿題なんて適当に答え埋めとけば良いよ!
合ってても間違ってても、とりあえずズルをせずに自力でやってあればどうでも良い訳だし」
「それめっちゃ適当じゃん!
あははははは!!」
そう言いながらのどちんが笑い出す。
そんなふうにのどちんと話をしているとチャイムが鳴ったので、私たちは各自自分の席に戻った。
先生からの連絡事項等を終え廊下に並び、体育館へ移動。
体育館にて校長先生の長い話を聞き終え教室へ戻る。
またのどちんと話ながら適当に時間を潰し、先生が到着するまで待機。
暫くして先生が成績表の束を持って教室に到着。
期末テストもクラスでは音楽以外の筆記テストは全教科トップだったのでそれなりの自信はあるけど、実際に成績表を見るまでは中身が気になって仕方がない。
内心点などは自分で見ることができない為、何がどうなっているのか、どこを、何を、どのように評価されているのかも全然分からない。
始業式の日の連絡事項などを話し終えた後、とうとう来たるべき瞬間が訪れた。
「よし!
じゃあ今から成績表を渡します。
名前を呼ばれたら各自取りに来てください。
じゃあ出席番号順に行くぞ!
まずは男子の方から。
安藤!」
「はい」
「裏部」
「はい」
と次々に男子の方から順番に呼ばれていく。
ドキドキする。
あんまり自己評価を高くして構えていると、成績表を見た時に思っていた評価が得られなかった時に凄くがっかりするし。
でも今まで凄く頑張ってきたのだから、やはり評価は高くあって欲しいな、と思わずにはいられない自分がいる。
だけど評価とテストの点数はイコールじゃないから、凄く複雑な気分である。
ぼんやりとあれこれ考え事をしているうちに、いつの間にか男子の方は配り終えていたようで、
「相瀬!」
と不意に名前を呼ばれてドキリとした。
「はい」
落ち着け、私。
席を立ち成績表を取りに行く。
「ん!
頑張ったな!」
そう言って先生は成績表を閉じ、私に手渡した。
「ありがとうございます」
そう言って受け取って自分の席へ戻る道すがらに成績表を開いてみる。
おぉ〜!
数十年前の私の成績表とはまるで別人のようだ。
今世では偏差値の高い学校へ行けるだろうか?
行くのならやはりできるだけ偏差値の高い学校が良い。
大学へ進学するのならば少しでも偏差値の高い学校へ行って、大学進学への対策が整っている環境へ行った方が有利だからだ。
大枚をはたいてまで進学するのなら自分の目的に合った学校選びたいし、できるだけ学費が安くて済む国立大学を視野に入れて考えていきたいところだ。
その為にはやはり学力が必要になる。
だからこそ、できるだけ勉強する環境が整っているような偏差値の高い学校へ行きたい。
そう考えている。
成績表を鞄にしまって帰りの合礼まで待機する。
暫くして最後の人まで通知表が行き渡ったところで
「はい!
じゃあ全員に行き渡ったと思うので最後に合礼をして皆んな気をつけて帰って下さい!
じゃ、日直の人よろしく!」
「起立、礼!」
合礼を終えて皆んな解散した。
「ミッピどうだった?
ミッピの事だからオール5とかなんでしょ?
羨ましいな、本当!」
茶化すようにのどちんが言う。
「いやいや、そんなに良くないよ!
残念ながらオール5じゃなかったし…」
「えー!?
そうなの!?
ミッピでもオールじゃないんだ!?
だってこないだの期末も全部凄かったじゃん!」
「う〜ん…まぁ、前に先生が言ってたように点数イコール成績じゃないみたいだからさ…。
こちらとしては凄く不本意なんだけどね。
でも言ってもしょうがないからさ…」
「本当にそうなんだね…。
そっかぁ。
何か色々難しいね…」
「本当にそう思うよ…」
のどちんとそう話ながら、玄関にて上靴をビニール袋に入れる。
持って帰るのは靴だけだから、小学校の時に比べたら無駄に荷物がないのは楽である。
引き続き雑談をしながらのどちんと途中まで一緒に歩き、道の途中で別れる。
「じゃあまた!」
「うん!
休み中、良かったら一緒に遊びに行ったりもしよう!」
「うん!
じゃあ今度予定が空いてる日とか電話頂戴!」
「OK!」
「じゃあまたね!」
「うん。
また!」
互いに手を振って別れた。
自宅に帰ってとりあえず一息つく。
鞄から今日配られたプリントを取り出し、目を通す。
休み明けにテストがある事や始業式の日程等が書かれている。
日付を間違わないようにカレンダーに印と時間を書き込んでおく。
さてとまずは何をするのでもお昼を食べなくては。
腹が減っては戦ができぬ。
リビングに降りてプリントをテーブルに置いた後、いつもの如くにインスタントラーメンを作って食べる。
片付けをして歯を磨いた後、再び自室に戻って一眠り。
今日はまだ夏休みの前日。
まだ何も慌てる必要は無いので食後の眠い時くらいは、まずはしっかり休んでおくことにしよう。
食後にすぐに眠ってしまうのは消化に悪いのは分かってはいるがまぁ仕方あるまい。
小さいことをいちいち気にしていては息の詰まる人生になってしまう。
気にしない気にしない。
私は早速布団に入って昼寝をした。
夕方ようやく目が覚めた。
時計を見ると時刻は6時を指していた。
我ながら随分と長く寝たもんだな。
約6時間近く眠っていた模様。
もはや昼寝と言うよりも仮眠と言ったほうが正しそうである。
そろそろ夕飯の時間だろう。
私はまたリビングへ降りた。
「あぁ、丁度良かった。
ご飯だからお姉ちゃんも呼んできて」
と毒母が言う。
面倒臭いなぁと思いながらも階段を上り、速の部屋をノックする。
反応は無い。
寝ているのか単に不在なのかは分からないが、とりあえずドアを開けてみる。
どうやら不在のようだ。
下に降りて行き毒母に
「まだ帰ってないみたいよ。
いなかったわ」
と伝える。
「あら?
今日はバイトの日だったかい?
したらまぁいいわ。
あんただけでもとりあえず先に食べなさい」
「はーい」
適当に返事をし、用意されている夕飯をささっと食べる。
さっさと食べてしまえば後は自由時間だ。
さっさと終わらせてしまおう。
手早くパパッと夕飯を完食し自室へ戻る。
さてと、先ほどたっぷり仮眠したので目はすっかり冴えている。
今のうちに学校で渡された夏休みの計画表を書いてしまおう。
ホチキスで留められた数枚のプリントを鞄から取り出すと、鞄の中のまだ渡していない成績表がチラッと視界に入った。
そういえばすっかり渡すのを忘れていたな。
思い出したついでに早く渡してくることにしよう。
面倒は早く終わらせたほうがいい。
他に渡す必要のあるものはないか鞄の中をチェックし、成績表のみであることを確認した後に成績表を手に再びリビングへ降りる。
「はい、成績表」
そう言って毒母に渡す。
「どれ。
ちょっと見てみるか」
そう言いながら毒母は成績表を広げる。
「ふぅ〜ん…。
ふぅ〜ん…。
まぁ…お姉ちゃんとは違うよね。
あんたはやっぱ流石だわ。
あんたはママに似て頭いいんだわ!」
…え"!?
あなたのどの辺が頭いいのか、具体的に教えてほしいものだ。
普段は散々
"あの人1人だけ変わってる"
だの
"あの人は少し変だ"
とか
"一体あの人は誰に似たんだろう"
だとか…。
日頃好きな事を散々言ってくれちゃってる割に、こういう都合の良い時だけ自分に似ている宣言するんだね。
どんだけ自分大好きなんだよ。
こういう人を見ると反吐が出そうである。
「あんたは知らないかもしれないけどねぇ、ママだって勉強すれば昔は頭良かったんだから!
勉強あんまり好きじゃなかったからちょっとサボっちゃっただけで、本当はやれば凄い頭が良かったんだから!」
いるよね。
こういうタラレバだけの人。
言い訳がましい所が速とそっくりだね。
やっぱりあなたと私って凄く違うと思うわ。
でもこういう人は逆らうと面倒臭いので、敢えて何も言わず
「じゃあ私はもう部屋に戻るわ。
宿題やってる途中だから」
と適当に理由をつけて退散。
私は自室に戻り、先程の夏休みの計画表の書き込みに取り掛かる。
プリントには◯月△日と日付を書く欄と、その下に細長い長方形が印刷されており、その長方形に自分で時間毎に線を入れて自由に書き込む形式になっている。
うわぁ〜…。
二十数日分も毎日これを書かなきゃいけないのか…。
そんなに毎日書き込める程、人のライフスタイルなんて大して変わらないと思うのだが。
毎日同じことを書き込む事に意味を感じられない。
はぁ〜…。
全く無駄な労力である。
非常に面倒な事この上ない課題だが、やらなくて良い理由にはなってはくれないので、とりあえず何か滅多な理由でもない限り、毎日変わらない固定されている予定を先に書き込んでおいても良いだろう。
例えば朝の起床する時間、朝食の時間、歯磨き、洗顔などの朝のケアの時間、塾の夏季講習の時間、就寝の時間などは、毎日ほぼほぼ固定のため変動する事は滅多にない。
よってこれらに関しては予め書き込んでしまっても問題ないだろう。
そう思い定規で線を引き、時間などを書き込んでいく。
あぁ…何とも手の疲れる作業である。
その疲れる作業は小一時間ほど後に終了した。
ふぅ〜…。
何か普通に勉強するよりも何だか疲れたな。
今日はまだ小一時間ほどしか何もできていないが、一旦休憩を挟むことにした。
軽く肩と首、腕をストレッチしてベッドに横たわった。
今日はこの後どうしようか?
宿題で残っているのは数学のプリント5枚と漢字のプリント10枚、社会のプリント2枚に英語のプリント3枚と教科書の和訳10ページ程、理科のプリント3枚だったか…。
そして休み明けテストがそれらの全教科あるんだっけ?
テスト範囲はその宿題の中から提出されるらしい。
はぁ〜全く…、何とも面倒臭い事である。
宿題終わらせてそれで終わりじゃない所が面倒臭いよね。
そもそも答え合わせ出来ないのにテスト勉強どうするのさ?って感じである。
仮に間違った答えで埋めてしまってそれを正解だと思って勉強した所で、テストで点数を落としてしまうのだから、そこに意味はあるのだろうか?と疑問に思ってしまう。
間違えた答えを覚えたって何の意味も成さない、ただの無駄な労力だと言うのに…。
まぁボヤいても仕方あるまい。
そこは塾の夏期講習を上手く利用して塾の先生に答え合わせをして貰う事にしよう。
…待てよ…?
考えてみたらこれって上手く利用すれば休み中も先生に会えるのでは…!?
…これはある種チャンスだ!!!
宿題で分からない所があるんですぅとか何とか言って口実を作れば、勉強を教えて貰う名目で先生に会いに学校に行ける!!!
よし!!!
そうと決まれば早速数学の課題に取り掛かる事にしよう!
先程までは疲れを感じていたはずなのに、急激に疲労回復したようだ!!!
私は早速机に向かって数学の課題のプリントを広げて宿題に取り掛かった。
こうして私の夏休みは始まった。
―翌日―
朝いつもの如くに目覚ましのジリジリと言う音に驚かされながらようやく目を覚ます。
大きく欠伸をしながら、のそのそとリビングに降りる。
毒母が珍しくも既に外着を着用していた。
今日は何かあるのだろうか?
私がドアを閉めた音に気付いて毒母がようやくこちらを見た。
「あらもう起きたの?
今日から夏休みなんでしょ?」
「うん、まぁ…」
「早いねぇ、休みだってのに本当あんたって偉いわ」
あぁそう。
何を今更。
まぁそう思うんだったら…以下省略。
思う事は毎度恒例で同じだからだ。
「うん、まぁ…。
ある程度早めに起きておかないと9時から塾で夏期講習があるし」
「ふぅ〜ん。
夏休みだっていうのにアンタも大変だね」
「まぁ…」
「ママねぇ、実はこないだアルバイトの面接に行って採用になったんだよね。
それで今日からアルバイトに通う事になったから。
だから朝早いから朝ごはん作ってられないから、食パンでも何でも買ってきてあるから、自分で適当に食べてって頂戴。
家の事なんだからあんたも協力して頂戴」
まぁ…普段からあなた、朝やお昼なんてあんまり作ってないんだから、いつもと大して変わらんからこちらは全然構わんよ。
「へぇ〜。
どういう風の吹きまわし?
今までずっと働いてなかったのに」
大方お小遣いでも欲しくなったのであろう。




