表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
失愛園  作者: 雪水湧多
2/7

ouverture


...

......

.........

重い瞼をゆっくり押し上げると、光が入り込んでくる。

「うっ...」

眩しい。

窓から差し込んできた、オレンジの光は優しくも厳しくもあった。

「おっ、目が覚めましたか?ここは病院ですよ」

体を起こそうとするが。

「あぁ、待って待って。そのまま、そのままで大丈夫です...あの、わかりますよね?言葉」

頭を縦に動かし頷いてみせる。

「そうですか、よかったです。言語は、大丈夫みたいですね。さて、次は...自己紹介しますね。私は、エウアです」

エウア...恐らく、知らない名。

軍にそんな名前の女がいるなんて、聞いたこともない。

「あなたは、ソエル...さんでよろしかったですか?」

また、同じように頷いてみせる。なぜ、俺の名を知っているのか不思議ではある。だが、おおよその検討はつく。

ドッグタグだ。

「ソエルさんですね、よかったぁ読みが合ってて。で、次か...えっと、体に違和感ありますか?」

目に付いた両足から動かしてみるが、特に違和感はない。

手はどうか。

右手を挙げ、見ながら動かそうとしたが。

動いてるのは、右手ではなく。

鉄の塊。

右手を模した鉄の塊。

それが、思うように動く。

「うぅ、ああぁぁぁああ」

動く。

この意味を考えるまでもない。

「あああぁ、落ち着いてください。今、落ち着かせますから」

このエウアという女は、注射器を俺の首に差し込んで薬品を注入してきた。

......

即効性なのか、かなり早めに落ち着いてきた。

「落ち着いて、落ち着いて。でも、いつかは受け入れなければなりません。さぁ、視線を体に...」

「はぁ、はぁ、はぁ、ああああぁぁぁあ!」

両手は作り物。

義手。

その事実が重く、心が強く折れ曲がる。

暴れたせいでズレたタオルケットとベッドの隙間にも金属。

両足も作り物。

義足。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

目を瞑り、現実から背ける。

「いつかは受け入れなければなりませんよ。それが、遅いか、速いかです。今日でなくても構いません。ゆっくり...ゆっくり自分のペースで受け入れましょう」

そのまま、意識が途切れる。

何かどこかの名作を元にして作っちゃいましたw

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ