prélude
「ウワァわぁああああああああああああああああああああああああああああアアァァァァァァァァァァァァァァァァア!」
喉が痛い。
何度叫び、泣いたのか今となってはどうでもよくなっていた。
目が熱い。
目尻から溢れた涙は、赤く染まった浅い湖に注がれる。
「ひっぐっ、くっ、はぁ、はぁ、わああああああぁぁぁ」
四肢が動かない。いや、動かせない。
視線を左右に動かしても、四肢はあるべき場所より遠くに無残に転がっている。
その周辺には、肉片や鉄片が...
いや、恐らくこの地域一帯に肉片や鉄片と死体。誰かが動いてる気配すらないことがその予想が真実だと決定付けている。
「はぁ、ひっぐっ、はぁ、はぁ、ひっぐ...」
少しずつ、ぼーっとしてくる。
このままでいれば間違いなく出欠多量で死ぬ。死が怖いわけじゃ無い、ただ呆気なくて悲しいだけ。
「...ひっぐ....はぁ」
青い空。
雲一つない快晴だ。
「馬鹿げてる」
生物の母なる大地。
しっとりしている。
「意味が無い」
そして...
「儚い生命」
「ワインより赤い生きた証」
...
流血。
「生の絶海」
ありのままの感想を口に出すと、図ったかの如く意識が朦朧としてくる。
あぁ、満足のいく人生だったのだろうか?
ifの結末なんてあったのだろうか?
もう少し楽しめる要素があったのではないか?
後悔しても無駄か。
そう...
「これが、俺(人間)の終曲だ」
プツン
ご感想、誤字脱字ございましたら感想ページにてお知らせください。