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子役もかなり、大変です。  作者: ほっかいろ
第一章~子役、始めました!~
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24、「この手をいつまでも」結果発表

 最終審査は、終わった後直ぐ合格者が発表されることが多い。今回もそういう事なので、私は買ってもらったジュースを飲みながら待っていた。審査に30分程かかるというので、車でコンビニに行って昼ご飯を買っている親子もいたが、私は緊張のために食欲が無いし、お母さんが事故を起こしかねないし、私達はとりあえず自販機で買ったコンポタージュを飲んだ。


 「そろそろね。」


 お母さんはさきから時計ばかり見ている。お母さんと言うのは、勿論私のお母さんだけではないけど。後五分で時間になる。コンビニに行って来たらしい親子が走って入り口から慌てて入って来たり、おにぎりを急いで呑み込んだり、コンポタージュを急いで飲み干したり、まあ色々と焦ってた。


 「こちらの部屋にお集まり下さい。」


 係りの人がそう声を掛けると、皆走ってその部屋に向かっていた。


 「トイレ行きたかったのに。」


 と言いながら、私もちゃっかり走る。


 「えー、本日はお集まりいただき…。」


 以下省略したくなるような言葉が続き、結果が全然発表されない。まわりの人も、そわそわしているのが伝わってきた。


 「えー、ではですね、本日のオーディション主催者、森会長にお話しと当選結果をお願いします。」


 やっと結果だよ。と思ったら、『お話』がもう長かった。長すぎだよ。


 「…えー、そして、今回、「この手をいつまでも」の安田 美穂役を演じて頂くのは………」


 長い、長いよ!!!!

 バクバクと心臓が締め付けられる。


 「25番、場緒 美緒さんです。」


 場緒、と言った司会者の声が聞こえた瞬間に緊張がほどけて、私は思わず床にへたり込んでしまった。周りには涙を流す親子や、まだ驚いたような顔をしている親子もいる。


 「凜々花、頑張ったわね。」


 お母さんが半分泣きながら言った。


 「じゃあ、凜々さん、前までお越しください。」


 「はい。」


 今回は一人で、行かなくてはいけないようなので、(パンフレット情報)一人で前に出る。うう、見られてる時の視線が痛い。体中に熱がこもっている感じがして、しっかり歩けているのか分からないような感覚に陥った。前に出ると、さっきの審査員だった人が、にっこり笑って、任命書みたいなのと、第一話の台本を渡された。そして、笑顔のまま、


 「場緒 凜々ちゃん、今回はおめでとう。」


 と、言われた。


 「ありがとうございます!」


 チラッと前を向くと、お母さんがスマホで動画を撮っていた。


 その後、他の親子は徐々に帰って行き、残された私とお母さんは、「これからのお話」の為に別室に連れていかれた。








 「まず、こちらが予定表です。」


 今は、別室で、一名のスタッフさんと、監督さんと向かい合っているお母さんと私が座っていた。

 監督さんに差し出された冊子には、読み合わせ、一話の衣装合わせ、などがズラリと書かれていた。前の映画よりもかなり大変そうだ。オーディションの男の人って、監督だったんだ。


 「うわ、凄いですね…。」

 

 お母さんがつぶやいた。


 「あと、こちらが連絡先です。なにか変更したい予定などがあったら連絡をください。それから、今のところ何か無理そうなスケジュールはありますか?」

 「いえ、特に無いです。」

 「では、この通りにさせていただけますね。」

 「はい。ありがとうございます。」

 「では、この度は本当におめでとうございます。そして、これからよろしくお願いします。」

 「こちらこそ本当にありがとうございました。」


 お母さんが深々と頭を下げて、部屋を出た。


 「凜々花!凄いわね。お父さんが仕事すっぽかしてもう家にケーキ持って向かってるって。」

 「本当!?嬉しいな!」


 そんな弾んだ会話をしながら車に乗り込んだ。車の中でスケジュール表を見ていると、泊まり込みの撮影日やロケ地なども書かれていた。読み合わせは一週間後からだ。想像すると、少し現実味が湧いてきた。予定は来週から立て続けに入っている。

 よし、絶対上手くやって見せる!加賀先生の教え子としても!


 

 皆さん、お久しぶりです!月1投稿、少し長いように感じました。もう少し頑張れるのではないかと思いました。月2、3程の投稿頻度(週一を目指します)で投稿したいと思います。長いな、と感じた方は、申し訳ありません。

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