19、お受験
日常編です。
「どうしようかな~。」
ただいま絶賛独り言中。
悩んでいる。この人生どうするのか。あ、いや、別に病んでるわけじゃないよ?でも、凜々花の顔は失敗するか成功するか分からない顔だという事に気づいた。今はお母さん似だけど、大きくなって、お父さんの遺伝が出てきて、男ならかっこいいけど、女には似合わないようなキリっとした顔つきになるかもしれない。凜々花の顔は、童顔で、お母さんも童顔なので、いきなりカッコいい感じの顔に進化して、イメージが変わったら仕事が突然ストップしたりする。
「どうした?」
「え?何でもないよ。」
今、そんなことを考えるのはお父さんの部屋に本を読みに行ったら、アルバムを見せてくれたからだ。お父さんの子供の頃の顔は、想像がつかないほどかわいかったらしく、スポーツが出来そうなカッコいい感じではなかった。9~10歳の時にガラッとかわった。その年頃は、子役平均的にがブームの絶頂を迎えるときだ。
将来が心配になってきた。前世では田舎の高卒だったから、都会でも、最初は頭良くても大人になれば落ちぶれて両親に養ってもらう……ニートの道もありえる。
「お受験…してみようかな?」
「え?お受験!?凜々花がしたいならお父さんは賛成だけど…。」
「テレビで見たんだけど、すっごく楽しそうだったんだ。それに、お勉強楽しいし!」
「そうか、そうか、楽しいか。凜々花、もうあのドリル全部やっちゃたし…お父さんが小さい時よりずっと勉強できてるし……夕ご飯の時にお母さんに聞いてみようか。」
最近、幼稚園児用のドリルもらったから、勉強大好きっこの演技して分からないふりしてほとんど全部教えてもらいながらやった。ドリル一冊分はずっと分からないふりするの大変だったし、大変すぎてイライラしたけど、演技の練習にはなった。まぁ、いつもはそんな演技しないけどね。
オフとオンを分けたいし、最初は子供らしく振舞っていたんだけど、両親に子供らしい可愛さを求められるようになったので、これはマズい、と思ってやめた。家の中でも家の外でも演技三昧は精神的にやられるしね。でも、さすがに子供らしさを感じなさすぎると、そろそろ怪しまれそうだから始めた。
「うん!」
と、いうことで、あっという間に夕食の時間になり、コロッケを食べ終わった後、隣のおばさんから、御裾分けのお返しに、ともらったクッキーを食べながら、話を切り出した。
「あのね、凜々花、お受験してみたいの!」
「え?お受験?」
「今日話し合って、お母さんに聞いてみることになったんだ。」
「私は、賛成でも反対でもないけど、子役の子がいく、小学校があるらしいのよ。もし凜々花が、このオーディションに受かったら…って進めてくれたんだけど…。小雪ちゃんや、あの映画で共演してた二人居たでしょ?和樹さんと梨花さんでしたっけ?その子達も転校するらしいんだけど、まあ、凜々花が好きな方でいいと思うよ。でも、お受験ねぇ。塾とか行く時間あるかしら?レッスンで殆ど時間が無いからなぁ。」
え?何それ?そんなのあるの?小雪ちゃんとかも行くんだったら行きたいな。そしたらぼっちは防げるだろうし。(前世では天涯ぼっち)いや、違うんだよ?二人組組んでくださーいって言われたから、余った人と組めばいいなんて考えてたら、一人も余らなかったせいだからね!そ、そのせいだからね!
「うん?どうした?凜々花、暗い顔して。」
「ううん、な、何でもないよ?」
「それで、凜々花はどっちが良いの?」
うーん、エスカレーター式の学校とか行けたら楽そうで良いし、お父さんの嬉しそうな反応があるしなー。でも、勉強ができたって、ぼっちだったら仕方ないんだよな……。
「もうちょっと考えてみるね。」
本当にぼっちは深刻な問題なのだ。だって、もしエスカレーター式の学校に行ったら、高校までほとんどクラスカーストとか同じな訳でしょ?小学校の時に友達を逃したら、その後十年ぐらいぼっちに苦しまなきゃいけないっていう事じゃん。え…?無理。いや、前世でも同じようなもんだったけど、あ、田舎だったから、転入生と転校生が本当に全然いなかったんだよね。だから、中学校になっても小学校の時のままの人が同じクラスにいた。もちろん、人が少なすぎてクラス替えなんかなかったしね。そして、中二の時に真美ちゃん、っていう女の子が転入してきたの。最初で最後の転校生。それで、その時まで14人だったクラスが15人になったの。もはやボッチから抜ける術はなかった。田舎だから二人以外ほとんど皆同じ高校行ったし。そう、つまり高校の時はクラス全体13人。私は勉強なんて出来なかったからその学校いくしかなくて、もう、笑うしかなかったわ。ハハッ。
ただ、もし芸能専門学校的な方に行けば、きっと小雪ちゃんという命綱にしがみつける。又は、地獄の中休み、昼休みにも、小雪ちゃんが休んでれば、梨花さんとか、和樹さんに混ぜてもらうことも、多分できる。それに、小雪ちゃんと違う学校だったら、事務所でのクラスも違うし、だんだん関係が薄くなるっていうか、無くなってしまいそうで怖い。
「まあ、取り合えず、もうちょっと考えておいてね。あと、お風呂が沸いたみたいだから、凜々花から入っていいわよ。」
「え?あ、うん。」
クッキーの最後の一口を食べた後、お風呂に向かった。小学校のこと、どうしようか?
最近、忙しいくなったので、 月一 + 総合評価100UP
で書きます。月一でかいて、100PTもう一話で追加っていう意味です。