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子役もかなり、大変です。  作者: ほっかいろ
第一章~子役、始めました!~
14/46

14、映画鑑賞

 書くことあんまりなかったので、かなり、話が飛びます。

「終わった……。」


 はい、話が飛びましたが、撮影が終了して、今、帰るところです!一週間しか撮影してないから、すぐ終わったわ。この映画は、あまり時間もお金も掛けないで作るから、映画編集とかの期間も短く、半年後ぐらいには公演になるらしい。でも、半年の間に、完成した映画を関係者で見て、その後、祝、映画完成記念会やって、初日は舞台挨拶したり、撮影以外にも、まだやる事が沢山ある。ちなみに、完成した映画を見る際には、家族も連れてきて良いらしいので、うちの両親が付いてくることになった。(発狂)帰りのバス(関係者全員で乗って、車が停めてある駐車場まで行くやつ)の中で、色々説明してた。覚えとこ。


 「凜々ちゃん、お疲れ。」


 隣にいる和樹さんが声をかけてきた。


 「お疲れ様です。」

 「ねえ、前から思ってたんだけど、どうして凜々ちゃんって敬語使えるの?英才教育?」


 和樹さんの後ろから、ヒョコっと梨花さんが現れた。隣に私のお母さんいるのによく聞けるなー、とか思ってると、お母さんが興味深そうな顔してた。疑われない程度に子供しさでも出してみようかな。


 「ん?えい、えいさ……い?」

 「あ、英才教育?意味わかんないよね。英才教育っていうのは、うーん、いっぱいお勉強することだよ。」


 あ、なんか梨花さんが大人しい口調になった。でも、その子供をみるような目つきはやめてほしい。


 「そうなの!私ね、テレビでいっぱいお勉強してるよ!あのね、平仮名読めるの。テレビの、下の方に書いてあるので覚えたんだ!」


 こんなのどうかな?もう、字が読めることバレてるし、言い訳に使おう。あ、和樹さんが引いてる。ごめんね、家ではいっつもこういうキャラなんだ。じゃないと変しょ?まだ四歳なんだから。ちなみに、『テレビの、下の方に書いてあるの』っていうのは、字幕のことね。


 「え?本当に?テレビだけで覚えたの?」


 和樹さんが『あり得な~い』みたいな顔をした。まあ、いっつも見てるのは韓国ドラマと時代劇だから、ほとんど字幕付いてないんだけどね。


 「え?なにそれ、羨ましい!私なんて、平仮名も、敬語も、特待生クラスの礼儀作法のレッスンで、居残りしながらやっと覚えたんだよ!」


 へぇ、意外と秀才のようだ。


 「あら、そんな事も教えてくれるの。」


 お母さんは感心している。確かに演技も礼儀も教えてくれるなんて、凄いよね。

 ちなみに梨花さんは違う事務所だけど、システムはうちと同じで、梨花さんは今年にはうちの事務所に入るようだ。もともと梨花さんの事務所と私の事務所は姉妹事務所だったので、梨花さんの将来を考えて、大きい方の事務所に移転した方がいいと進められたんだとか。

 と、その時、バスが止まった。


 「着いたわね。」


 バスから降りると、監督さんに今後の予定についてのプリント配られて、解散となった。


 「凜々ちゃん、じゃーねー。」 


 今思ったんだけど、なんか梨花さんって猫かぶり?なんで子供の前と、大人の前での私への対応が、こんなに違うんだろ?前は、「またねー、私と和樹のデート邪魔しないで今日は部屋で大人しくしててね♡」っていって、女子部屋出ていったのに。ちなみに、女子部屋は、控え室みたいなところで、撮影の前に、出番を待ってるとこと。室内で撮影するときに使う部屋だ。


 「ねえ、凜々花、本当に、テレビだけで敬語覚えたの?」


 お母さんが、運転しながら、私の方をチラッとみて、言った。


 「うん、あのね、『花子の日常』で覚えたの。」


 このドラマは、ネーミングセンスないけど、面白い。やっぱり、『連載テレビ小説』は、面白くて、熱中して見てる。いつか、あのドラマの幼少期役やりたいな。あ、『銀河ドラマ』にも出たいな~。

 そんな事をあーだこーだと空想ているうちに、家に着いた。 


 「家だ~!」


 私は無邪気にベットにダイブした。お父さんが、全く家事をしてなくて、不潔なことにイライラしながらも、何も分からない子供を演じる。お母さんは、


 「今月は減らそう……」


 とか言ってる。ちなみにうちは、妻が家計を管理して、夫にお小遣い毎月渡すスタイルだ。

 






 「あ、凜々ちゃん、久しぶり!」


 梨花さんが声をかけてきた。いっつも会ってる……、一方的に押し寄せられてるのに、何が、『久しぶり!』だ。あ、因みに、梨花さんは映画の撮影が終わって何週間かあとにうちの事務所に入ってきた。因みに、特待生クラスは同じだけど、その他のクラスはクラスに出れる日時が違うので、必然的に別々だ。和樹さんは、今夏休みだった(!)から礼儀作法のクラスが一緒だったけど、今後は学校が始まるので、これまた特待生クラス以外別々になるらしい。


 「昨日も教室まで押しかけてきてましたよね?なんで久しぶりなんですか?」


 最近は、ちょっと砕けてきたので、こういう話し方ができる。前は、一方的に呑まれてたけど。


 「いいじゃない、私の後輩、第一号なんだから。ほら、『先ぱーい』って言ってみて!」


 ってバシバシ叩かれた。何なんだろう?このテンションは。良くいつもこう、ハイテンションでいられるよね。


 今日は、皆で映画観て、祝、映画完成記念会の日だ。あれから、五か月くらい経った。大きなデパートで、映画が見れる所が付いてるやつだ。祝、映画完成記念会は、デパートの、どっかの、レストランか、飲食店かを、貸し切りにしてやるらしい。


今回は、舞台挨拶をする、現場なので、いままでチマチマ事務所の特別レッスンで和樹さんと、梨花さんで練習してきたのをやる。今まで、梨花さんは特別レッスン受けてなかったけど、仕事の都合だったらしく、今は三人で受けてる。


 「ねえ、聞いてるの?」

 「あ、はい」 


 なんか、梨花さんに睨まれるとちょっと怖い。多分可憐ちゃんほどではないが。


 「凜々花……あ、凜々!」


 お母さんが電話を終えて、お父さんと一緒に、廊下から戻ってきた。凜々って呼ぶことに、まだ慣れていないようだ。本名をできるだけ隠したいので、そうしてる。でも、演技の先生がの、『有名になればすぐにバレるわよ~』って言ってたんだけどね。


 「そろそろ始まるみたいですよ。」


 梨花さんが言った。


 「撮影してるところ見れなかったから楽しみね。」

 「凜々花が出ている映画をみれるなんて、幸せだ。」

 「凜々花じゃなくて、凜々って言わなきゃ。陽ちゃんったら~。」


 私の前では、『陽ちゃん』って言わないんだけど、人がいないと、なんかラブラブなんだよね。はぁ~、見られるのかぁ。いやだ、凄く嫌だ、でも、両親を説得するどころか、叱られるはめになったので、これ以上強くでてとめることは出来ない。ということで、両親とは別の場所で見ることにした。せめて横に両親がいるのだけは避けたかった。

 まず、裏方に入れられ、舞台挨拶をちょっと練習して、ステージに上がらされた。


 「うわっ」


 予想以上に人が沢山いて、思わず声が出た。

 どこから集めてきたんだろう。っていうかカメラ構えてる人とかいるぅ。


 「はい、では、映画が始まる前に、え~、キャストの方からの、舞台挨拶があります!」


 司会の人が話を始めた。


 「ええ、今回の見どころはですね……。」


 監督さんが、マイクをもって話し始める。カメラが、監督さんの方に向いた。うっ……。横にいる私までまぶしい。


 舞台挨拶は、アドリブについての話とかですぐ終わった。私の出番はほとんどなかった。実は、メインキャストなのに、八割は、突っ立てるだけだった。場の雰囲気にあわせながらニコニコしてた。それから、カメラは、地元の新聞社のものらしい。どうりで服とか着替えさせられたんだーと、納得していると、


 「凜々ちゃん、始まるよ。」


 着替えが終わってすぐ、映画が始まってしまった。私は、小走りしながら、一回舞台裏から出て、部屋に入った。そのままステージの階段降りて行ければ良いのに~、とか思うけど、『え?ちょっとそれは無いよ……』と、和樹さんに言われるほど、良くない行為らしい。


 「あれは、十年前の話……。」


 いよいよ映画が始まった。自分が映っているんだ。客観的に演技を見てみるのはいいけど、は、恥ずかしい。


 『起きてー。今日から夏休みでしょ?ラジオ体操行くんじゃないの?』


 顔が熱くなってきた。私、ちゃんとできてるかな?

 どこで切ればいいのか、迷いました。

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