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遠神の帝国Ⅰ  作者: ペコ
15/60

15 キロ1離れて巨竜の顎前


 耳に感あるのは、ひゅうという細い風の音、足もとの深い谷底の滝から滝へと瀬を流れ落ちる急流のごうという遠い水の音。そして先方になすすべもないこの身の胸打つ動悸。


 瞬一よりほんの少し長く、振り返った黒白対の小さなふたつの長頭巾の陰に隠れた目線、その的は自分だった。

 キロ1は離れていた。

 それでも息をするのも憚られる威圧に身がすくんだ。

 とうに気づかれていたとわかった。


 振り向きを止めて豆粒より小さな対の姿がちょうど輜重の道のかどになっている峠の稜の向こうに見えなくなるまで、わずか分1。たかが分1、されど分1。これほど長く感じる分1はなかった。


 洞で巨竜に獲物に足りずとばかり開いた牙百並ぶ顎門に見逃された、死九に生一、生き延びられた、その時のトラウマよりもこれは耐えがたかった。


 からだ表が虚して尾も口囲の触毛も先まで冷たく汗して力が抜けて、身を寄せて隠れているはずの垂直に近い硬い岩壁もにわかにおぼつかないものに感じられて、確かなものは褪せて今にも千尋の谷底に滑落しかねなかった。


 念には念の監視の最後の詰めが間違いだった

 峠向こうの灰の魔法の塔領、その結界のうちに入るのをじかに見届けようとしたのは最悪手だった。


 いや、逆。真の逆だ。


 あの雛子の対にとってはこちらの監視などうでもよい些事なのだろうが、その正体をあかせぬままでも、これほどの力のものと判明したことこそ、伝えねばならない情報であり収穫だった。


 だが存在しているだけで桁違う大きな脅威とわかった今、相手にされまいが天の厄災を告げる口ふたつのふさぎをもしなそうとしても不可能に近い難事とわかった。それも峠を越えられては、すでに機を逸していた。


 からだは、岩をつかむ両の手の爪は、なおも怯んで意のままにはならなかった。脚も萎え、監視のためにたどり着いた狭い岩棚からの後退からして決して容易ではなかった。


 大事の前の小事にも足らず、その見立ては、見一の威圧ひとつで完膚なきまでに翻させられていた。


 それをなしたものが灰の魔法の塔領へ入った。


 その知らせを自分がなそうがなすまいが、強行派主導の強襲、領軍を差し置いての全力強襲は通じないだろう。もしなしたとしても、味方の被害甚大で、無傷のままの領軍に勝てる見込みはない。今は秘匿の天の厄災が我らも片をつけるだろう。領軍と組まなければ我らに未来はない・・・



 黙考のかたわら、からだを預ける次の足場をさぐる集中も、狙撃の長矢がびゅんと来て、からだすぐ横の岩肌をがっと穿つまでだった。


 はずれた撃一で初めて、あろうことか監視されるへまをしたとわかった。ならばあの対の視線はもしやこのことの警告ではなかったのか。その不意の悟りは背中に受けた撃二の衝撃で手遅れのはかないものとなった。


 自分の番がきた、命を喪う番が来た、嗚呼、こんなにも早く、早すぎるのに、嗚呼。


 灰色濃い岩肌に爪をたてることはかなわず、目に貼り付けた遮光の隠しグラスを通してなお明るい真昼の青い空に転じた。

 まぶしく空が回り、滲んで遠く遠く、なんと遠いことか、そして黒く暗く闇が・・・・・・・





 つけ回されていたのは西方のとある孵化の巣から我が塔へ、長から長宛ての書状をもつという雛子。そのふたりは無事のうちに区界峠を越えて行った。


 領軍と土鉱の賊の密約に違いない柔らかい接触が繰り返される中、現れた雛子の対。それが天の厄災の戯れ言を吹いて廻るやっかいものであろうが、書状持ちとあれば捨て置くわけにはいかなかった。


 雛子襲撃は未着手のまま終わったが、塔の利に繋がらないだろう企てに全く応ぜずというわけにもいかず、捕縛も捕殺も望ましくない平時であったゆえ、まずは警告に止めおいたのだが、見た目以上によほどのありえない隙の曝しだったのだろう。そうでもなければ幻死の術に捕らわれようがここまで効くはずはなかった。


 書状持ちに集中する執着が並々ならぬものだったと言うことは、そこに隠された不明の脅威の度合いが高いのは確実と思われた。


 ならばここはあえて捕らえて細工してみるべきか。ふむ。



 幻術が解けるまで分3かかった。仰向けに倒れた狭い岩棚の上で捕縛された身をもそもそと起こそうとしたのは記録にない娘だった。土鉱の女はいくら若く幼く見えるとはいえ、歳18にもまだ年余がある、未確認の新人だった。


「くっ、くっ殺せ」


「いや、本意にもないことを言うものではない、きみは死にたがるには若すぎる、それはわかっているだろう。それともそれに価する理由があると言いたいのかな、それより、少し話しをしないか」


「姿もみせず・・・魔力で捕縛しておいて、何を言う」


「捕縛を解いてもいいのだが」


「・・・対価はなんだ」


「きみと個人的な繋がりを持ちたいと言ったら、どうだ」


「ふん、土鉱の自分と繋がりたいとは、お前は雛子性愛者か」


「はっ、随分な勘違いだな、それなら捕縛を解くまでもない、それにそもそもきみは歳15を越えて成人だろう、土鉱だけどね」


「繋がることは否定しないのか」


「そうだな、からだではないことで、どうだ」


「・・・裏切れという意味か」


「裏切りたいのか」


「だれがするものか」


「なら、裏切ら無くてかまわんよ。伝手になってもらいたい」


「どう言う意味だ」


「なぜあの雛子にあれほどの執着をみせた」


「それは話す訳にはわけにはいかない」


「そうか、なら話せないほどの背景あり、それに価値ありを確認したと教えてやろう」


「・・・」


「まあいい、想定の内、今は話さずともおいおいわかる。捕縛を解いてやろう、その条件は一つ、きみとの個人的な繋がり、情報の交換。どうだ、こちらもきみの伝手になろう、互いに秘密裏にな」


「・・・なぜ、不要な了解を求める」


「強制はしない、いろいろと自発の方がいい、ギブ&テイクが長く続く秘訣だ」


「裏切るかもしれないぞ」


「そういうものだ、こういう場合の伝手とは」


「わかった。それも想定の内か、なら無駄に抵抗はしない」


「にわかに物わかりがよいな」


「ふん、腹をくくったまでだ、命の貸し一つの対価が、こちらにも利あれば安いものだ」


「おやおや自分の命を安売りしていいのか」


「誰が安売りしたいものか」


「うむ、それでいい、こちらとしてもきみはせっかくの伝手だからな。さて、こちらが去って分5たてば捕縛の術が解け、伝手の絆に変わる。呼び出しは念ずればそうとわかる。こちらも必要があればきみあてにそうしよう」


「待って」


「なんだ」


「そのう・・・捕殺しないでくれて」


「いや、それは思い上がりと言うものだ、きみを滅してどうなる、こちらと土鉱との対立を煽りたいものに利するだけだろう、それを上回る価値はきみにはまだない」


「・・・そうか、そうだな」


 この間者は若すぎる、生き延びさせて使い物になるまで仕立て上げたいものだ。たわいなさに演技がはいっているにしても、対立を煽りたいものという言葉に反応をみせた。それは共通の敵の存在の認識。利害の一致する攻め所の鍵だろう。




 分5がたったのだろう、なにかピリピリした金臭い匂いが消えて、心の芯にそれが絆だろう手綱のような感じのものが付いたのがわかった。どくどくと動悸はなお治まらなかった。あお向けのまま、動く気にもなれなかった。


”畜生、ドジを踏んだ”

 命を拾った安堵と、悔しさがぐちゃぐちゃになって急に溢れる涙が堪えきれなかった。

”畜生”


 まばゆいばかりの日輪に、夏が終わると告げる透けるような絹雲、滲むばかりの空。

弱い、全くかなわないこの身なんて、いっそ、空に、どこまでも深く沈んでしまえばいいのに。


 宙に短刀をかざした。光に輝きを返さない刃が逆光でさらに黒かった。自分の暗器は闇に使ってこそのもの。


 自分は闇に落ちたのだろうか、しかし刃を受ける気にはなれなかった。ならば闇はまだ遠い、そうに違いなかった。



 自由にされたが、監視はされているだろう。されていなくても絆の穢れが魂に刻まれていた。


 だが自分を捕らえた魔法者は、あの雛子のでたらめな異質のほどをまだ知っていないようで、そこがつけ込む隙だった。


 例え拠点までつけられようと、キロ1離れても巨竜の顎前に優る威圧、それを伝えねばならなかった。


 しかし強行派の愚行を止められないかも、いや自分程度ではまず止められないだろう。

 それでも敵が顎前なら竜百に優りかねない加勢を得たことを知らず特攻よりは、少しでも望みがある、恐慌のうちに引き際まで詰んでなすすべを喪う、それだけは何としても避けたかった。


 すぐに魔法者に知られるところとなろうが、みな潰えるよりはまし、そう思いきるしかなかった。





 翌日の夕、きわ一つ高い展望塔での昼勤をおえ、助手の娘の尾に捕まえられて階下に下った。


 「決めた、決めたわ、決めたの、私は仮名を”るな”、通名もそれにかえるから、下師のことを仮名”げつや”で呼んでいいのなら、いっしょに住んであげてもいいんだから・・・そうしたらもしかして真名まで教えてあげたくなるかも・・・私はいやじゃないよ、げつやでいやじゃないよね?」


 ふたりっきりの半ば阿吽の職場だが、こちらに仮名をしいるそこまで告るとは、下師は個室を持ち、その番一の座によほど魅力を感じてのことだろう。


 助手の大部屋から遷ってくると言い出し、その押しかけ引っ越しの加勢につき合わされるになったのだが、天蓋広場より下一つの飛竜翼竜舎のある階で新しい廓が現出しているのに気がついた。


 帝国武官駐在区画の真隣で、外壁窓ひとつ区画角度のこぢんまりとしたものだった。それでも奥行き部屋数は3ありそうで、上師の位階の最小区割りだった。


 とおりすぎようとする際にちょうど扉が開いて螺線斜路の回廊に出てきたのは、

「あれ、きみたち、昨日きた子たちだよね」


 助手、あらため、るなに言われるまでもなく、長頭巾に長上着の白黒対の雛子があのふたり以外にいるはずもなく、問うまでもないことだった。自分は下師だし、少しましな問いをしてみた。


「やあ、自分は下師で彼女は助手、監視の仕事をしているのは知っているよね。昨日はすごいもの見せてもらったけど、もしかして、新しい廓はきみたちの部屋かな」


 上師かそれを越える実力を持っているのは理解していたが、見た目が歳6か7の雛子なのでそんなタメ口になってしまった。


 怒らせてしまったかもしれないと、瞬一思ったが、白い方が牝の子だとわかる柔らかい雛の声の問いで返してきた。


「ねえ、お姉さんとおじさんは番?」


「うふふ、わかる、おませさんね」


「うんわかるよ、私達も番だから、ねっ、よる」


「えーと、なら、ほしの言うとおり、ぼく達は番で、ここに住ませてもらうことになりました」


 雛子だろうが、装束が黒い方、牡の子に通名を告げられては、応えないわけにはいかなかった。


「自分は下師げつや、彼女は助手のるな。よろしく。それで、そこに住むなんて、まあ実力的には申し分ないのは知ってるし、もしかして、きみたちは上師なの」


「それより、そんな歳の雛子で番ってなんなのよ、そっちを私知りたいわ」


「えーとただのすごい仲好しの雛子です、そして上師さまの庇護をうけるのです、ねっ、ほし」


「新しい廓は、新上師さまのもので、その使い走りになるんです、私達」


「新しい上師ってどなたかしら」


「えーと、言っていいのかな」


「それくらいはいいんじゃない、よる」


「下師かぜよみさまです、昨日飛んだかたです。ひどい重い凍り傷だそうで塔の長さまもつきっきりで治療の癒魔法をかけおられますけど、功績で階位二特進になるそうです」


 塔の長がつきっきりで・・・、自分はるなと顔を見合わせた。

命は助かるだろうが、どうなんだろう、昨夜、るなに同門の裏話をいろいろと聞かせられたばかり、特進二というも、階位分ひとつは間違いなくいじられる埋め合わせのはず。


「まあ、じゃあ、新しい上師もあなたたちも、私たちと同門になるわ」


「はい、そのはずがと真と思いました、だから確認がてら、ご挨拶はどうかなって、ほしと一緒に部屋からでてきました」


「えっ、もしかして自分らが降りてきてちょうど通るところとわかってたのかな」


「そうですけど、なにか」


「なにかじゃないよ、普通じゃないから。あの峠のこともそうだし」


「あの峠のこと?、ああ昨日の挨拶のことですか、あれはですね」と、ふたりして説明をはじめた。



「ねえ、ほし、あのお姉さんに見えてるって教えたのにつかまっちゃったみたいだよ」

「うん、よる、でも捕らえたのは、土鉱でない男のひとだけど、たぶん大丈夫、命までは取られないと思う」

「そうだね、残虐な感じも無理矢理に強番する感じも鑑察でなかったし」

「それよりよる、また見られてる感じがするわ」

「うん、そうだね、ほし、今度は目的の、やっと見えた塔の方から見られてる、ならここから挨拶しておこうよ。着いたら長にすぐ書状読んでもらえる方がいいしね」

「うん、街に入るのだけでたらい回しは何度もあったしね」


 と、あの峠ではまあこんなでしたと話すふたり。


 どうやら、つきまとわれて敏感になっていたので、峠で塔から視られたのもすぐわかったと言いたいらしかった。

 そして予想外に早くも塔の長の方から待ち構えていたので、自分らと長に繋がりがあるはずと思ったとのことだった。



 るなはブルっと尾を震わせた。


「落ち着け、るな。それよりきみたち、どんだけ天然なの」


「えーと、おかしいですか、簡単にできることだと思いますけど」 


「よる、間違ってる、よくない癖、それじゃ説明になっていない、わかってもらえないと思う」


「あっ、そうか、ならこうすればわかってもらえますよね」


 えっと思う間もなかった。構造が、ひとつの構造が心魂のうちに刻まれていた。


 距離を克服して対象物を視認、気配も感じられた、そして介在物は近いほど透いていた。


 自分は塔のなかにいるのに外の景色が少し透けて見えていて、足もとの回廊の床にいたってはかなり透明でまるで宙空に浮いている気分だった。

 

「きゃっ」

 悲鳴をあげて自分にすがりついてきたので、るなも同じだとわかった。


 るなは青い顔していた。どうやら高所恐怖症の気をこれまで我慢して隠していたようだ。そうなら配置換え願いを出せば良かったのに。


「また、よる、間違った、対応をした」


「えーと、えーと、ごめんなさい」


「スキルかな、これは根幹スキルかな、ははは」

 あまりのことに、笑うしかなかった。抱きつくるなの姿に、生き物は透けてないことを感謝した。



「ねえ、よる、よるはひととの付き合いはまだうまくないから、もっと私にまかせて。それから、げつやさま、るなさま、驚かせてごめんなさい、よるのこと、悪く思わないでください。よるは番の私がついていないと、だめなんです」


「自分らの通名にさまは、いらないです、こんなこと、たとえ上師でも、塔の長でも到底できるとは思えないし」


「でも、私たちただの雛子だし、人前ではさまづけでで呼ばさせていただきますね。よるもわかったよね。ほら、よる、早くオン・オフの汎用スキルも付けないと、お姉さんが具合悪そうだよ、牡の子って本当に気が利かないんだから」


「うん、ほし、わかった、ぼくはまだまだ考えなしなんだ。ごめんなさい。お姉さん、おじさんこれでどうですか」



「ああ、これがオン・オフの汎用スイッチって、この仕様だと自身以外のスキルも対象に指定できるような」


「汎用なのはそのほうが使い勝手がいいでしょう? 気遣っていただかなくても大丈夫です、そういうのは、自身より防御が弱いかたにしか効かないはずですから、どうやら、よるも私も防御は強いみたいなんです」



「・・・少し、部屋で休ませてもらえないかな。今更だけど、きみたち、6か7の歳のしゃべりじゃないし、頭が痛く、うん実際そうなってきたし、るなの顔色も良くないし」


「ごめんなさい、私、限界みたい」


 すがりついているるなが倒れこみそうだった。横に抱きあげると、目を閉じてぐったりとなった。眉間に歳にふさわしくないしわがよっているところをみると、るなも頭痛が強いようだった。


 雛子達はあわてて入り口を開けて部屋に通してくれた。

 安楽長椅子があり、そこにるなを横抱きにしたまま、座り込んで、座面にからだを預けるのがやっとだった。


 ずきん、ずきん、ずきん。


 頭が割れるように痛くなって、自分も限界だと、感じた。口を利くこともかなわなかったが、たかが下師であれ師たる矜恃が意識を手放せなかった。


 また何かしてくる、そんな強い予感で雛子ふたりの話しを聞いていた。



「ねえ、ほし、ひどく具合悪そうだけど大丈夫かな」


「ごめん、私のせいだわ、私が汎用スキルつけさせたので、許容を越えたみたい」


「どうしよう、ぼくもまだ自分以外の治療は魔法というほど自信ないし」


「私がふたりの頭のなかをよるにもわかるように見せるから、よるは頭のなかの血の流れがおかしくならないようにすれば、そのうち新しい状態で安定すると思うけど」



 いとも簡単に言ってくれるのが聞こえたが、それがどれだけとんでもないことか、自覚はないのか。白黒の対の長頭巾付きの長上着を纏った雛子は、おそろしくまともでなかった。なにより常識も欠いていた。




 るなと自分が歩けるまでに回復したのは夜半を過ぎていた。


 しゅんとして恐縮する雛子ふたりに、夜更かしとなれぬ集中を続けた消耗につけ込んで、スキルの供与のことは秘密、無断では決してしないことを誓わせた。それにいつまで拘束されてくれるかわからないが、たぶん雛子のうちは手綱は効くだろうと思った。


 あの長の耳にはいることは避けたかった。そうなったらが最後、大変なことに、大暴走が始まるだろう。るなも同門なのでよくわかっていて、そうねと同意見だった。


 雛子のくれた空間絡みのスキルを、るなとふたりで実験中に偶然、固有のスキルを共有したと偽って申請した。それで、番わず30の年期前にかろうじて基礎魔力が魔法者レベルに達し小師になれたくちの自分は中師に、そして助手のるなは、歳20前にして晴れて小師といえど師の階位に昇格した。汎用オンオフの方はとても表に出せるものではなかった。


 るなも個室ひとつ持ちになったのに、自室に番う相手を誘い放題だろうに、押しかけ同居は変えようとしなかった。たぶん中師だと部屋数二なのが気に入ったのだろう。



有り難うございます。1万アクセス越えました。

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