ヘレナアイランドでの生活
俺はジークフリート。
俺は今、エルフのアイリスと、仲間の騎士カインとともに、辺境の島国、ヘレナアイランド諸島王国に来ていた。
この国の空はきれいだ。そのきれいな空を見上げると、ペガサスや飛竜が、飛び交っている。
たまにグリフォンとかも飛んでくるというが、本当にたまにしか飛んでこないので、もし見かけたらよほど運がいいということになる。
俺たちは今、とある一軒家を借りて、そこにかくまってもらっている。
とある日の朝…。この島国にやってきてから、何日がたったのだろう。
その日は食事を終え、外に出ると、アイリスが言った。
「ねえ、この国の都に行って、王様に会いに行きませんか?」
「そうだな、まだろくにあいさつも済ませていないし、行ってみよう。」
島を移動するのにもいちいち船で移動しなければならないのが面倒だ。
「まいど、グレート・ヘレナ中央島に向かう船ですよ。」
船に乗る時は、やはり心配になるのは船酔い。酔い止めの薬はしっかりと飲んどかないとな。
そしてもう1つ。いくらなんでもここでは暗黒騎士の格好はしていられないので、装備品はただの鉄の剣、鎧、盾、兜、それと鉄の鎧の下に旅人の服を着込んでおく。
そして向かった先はグレート・ヘレナ中央島という、このヘレナアイランド諸島王国にある、約数百の島の中では、最も大きな島。
約数百の島があるといっても、実際に人が住んでいるのは、このグレート・ヘレナ中央島などの、いくつかの島だけで、あとの島は、手つかずの無人島か、あるいはダンジョンの入口があったり、かつて大昔に人が住んでいたらしい遺跡などもあったりする。
そしてここはビスタという小さな港町のようだ。
グレート・ヘレナ中央島には、このビスタの他に、グレート・ヘレナシティというこの国の都と、もう1つはポートセルミという、やはりここも海に面した港町で、劇場などもあり、この国の娯楽の中心地だそうだ。
グレート・ヘレナシティは言うまでもなくこのヘレナアイランドの政治、経済の中心地。
「わっ!なんだお前、俺たちに何の用だよ。」
と、そこでマリアンヌという、種族はバードマンという、人間の姿に鳥の羽根という女に出会った。
マリアンヌは、俺たちに出会うなり、いきなりこう言った。
「ちょっと、あなたたち、なかなか強そうじゃない。
だけどそれでもやっぱり不安だわ。ねえ、私を仲間にしてみない?
大丈夫だって、私は強いから。私もあなたたちの旅のお供がしたいの。
嫌だといっても、ついていくからね!」
いきなりこんなことを言って、そして無理やり仲間になって、ついていくことにしたマリアンヌ。まあ、旅の仲間が増えることは、決して悪いことではないのだが。
そしてようやく、ヘレナアイランド諸島王国の中枢部の城にたどり着いた。
「ようやく城にたどり着いたな。意外と立派な城だな。」
そして城門が開く。俺たちは中に入る。
そしてそのまままっすぐ行くと、国王に会えるという。
「わが国王、カルメン1世は身分を問わず、どのようなお方ともお会いになられるぞ。」
見張りの兵士たちのようだ。そしてそこから階段を登り、さらにまっすぐ進むと、そのカルメン1世が目の前にいた。
「ようこそ君たち、私がこの国の国王、カルメン1世だ。」