第5話敵対者と協力者(中)
できるだけシリアスと笑いを取り入れつつもストーリーを崩さないように
頑張ります・・・・・たぶん。
街の中央にある噴水広場を北の王城のある方角
に進むと、途中地面は赤いレンガの作りになり辺り一面はゴミ一つない
大きな家ばかりが並んでおり道も歩行者と馬車用に道が分けられている
朝には仕事などに出かける者が行き交い人との接触は避けれないが
ただ、夜中の今では人っ子ひとりいない
そんな夜道を明かりも持たず街灯を避けながら大勢の奴隷達に捕らえたエルフ達を
連れながら兄は目的地に着いた
「エルフさん真面目な話さここなわけ?」軍人の女ダークエルフに
疑いの目を向けつつナイフを女ダークエルフの家であろう場所に向けた
「疑っているのか私は今は一兵士に過ぎないがいつか一軍をはみょ‼︎」
女ダークエルフの熱弁する口に長話になりそうだったので兄がまたケーキを押し込む
その様を見て子供達が騒がない様に笑うと女ダークエルフは手が縛られているので
何度か地面を蹴り怒っているつもりで「フゥーフィーフーフ」
たぶん笑うなと怒ったが逆にまた笑われてしまった今の必死な感じから兄が「こいつお馬鹿さんだな」と捕らえている男エルフに話すと
静かにうなずく。
兄は軍人エルフ二人を連れ女ダークエルフ宅に入るドアには鍵がかかっていたが
先程奪った鍵で難なく入れた
玄関からピアノがあるホールに繋がっておりホールからは各部屋に行く扉が見え
兄は女ダークエルフに「使用人さんの部屋はどこなの?」と聞くと
「使用人に乱暴しないのなら正直に言ってやる」弟が今更家まで教えといて
何故今のタイミングでと兄へ心の中で問いかけた
女ダークエルフの考えが分かったのか兄は弟への説明も兼ねて話しだした
「俺がこの国から離れられないの分かって言っているだろ?」
少しこちらを見つめ、女ダークエルフは自分の考えが分かられていると思い口を開いた「貴様はそこの奴隷達を今すぐに逃すのではなく隠す場所をしかも私の家の様に
何日も経たずにも見つかってしまうかも知れぬ場所に隠すとあれば
国から今は逃げれぬ理由があるんだろ?」そこでドヤ顔になりつつ続ける
「そこでだ今使用人達を探し時間を取ったりまた最悪使用人達が騒いだり
逃げ出せば一大事だろう?それが分かれば私はいい使用人達に手を出すな」
ガチャとホールから二階に見える、部屋から黒髪のロングヘアとショートの二人の人間が出てきた「あっ・・・」と女ダークエルフが間の抜けた声を出した
「エルちゃんお帰り・・・ん?」使用人が主人以外がいる事に気づき危ないと感じた瞬間兄が二階まで一気に飛躍し声を出す前に二人口を押さえた
「この国の使用人さんはちゃん付けでご主人様を呼ぶのかな」
心配だった使用人を無事捕まえ安心した兄は二人を奴隷達に任せ女ダークエルフに
近づき話そうとすると「私達を殺すのか?」こちらを睨み強がって見せているが
明らかに足が少し震えていた、兄は黙り目をつぶった
「本当は殺しといた方が安全だしいいけど」兄が答えは分かりきっていたが
心の中で問いかけると「殺したら許さんからな」弟が当たり前だと言わんばかりに
答えた、
兄は弟との会話を終わらせ目を開けた「何故黙る?」と女ダークエルフは
沈黙に耐えかね声をかけてきた
「殺さない代わりにさそっちの男とあんたはここに置いて行くと危ないからさ
一緒についてきて俺の手伝いしてくれるかな」兄が言っているのが
犯罪の手助けをしろと言っている訳だが
使用人達を守りたい気持ちもあり迷っていると「それで助かるなら」と
男エルフが自分の命可愛さにすんなり答え兄が「うんうんいい返事だ」
そのやりとりに「軍人としての責任はないのか‼︎」と女ダークエルフが怒ると
「ここでさ迷って死んでも何も得なんかないしさあの子ら大事っぽいよね
俺さ何かしちゃうかもよ?エルちゃん」兄がすたすたと軽い喋り方とは違い
目は細まりいつの間にか手には煌びやかなナイフを持っていた、その姿に使用人達は兄が近づき手を触れる寸前
目に涙が溜まっているのに気づき
「やめて・・・犯罪でも何でも手伝うだからその子達に手を出さないで」
女ダークエルフが観念したと感じ、使用人とダークエルフ達四人の縄を解く
「じゃあ皆いい子にしてるんだぞすぐ他の友達も連れてきて皆で暮らせるからな~」
先程までのやりとりをしていた姿が嘘のように奴隷の子供達へ
笑顔で話している姿の兄を女ダークエルフは不思議と見つめていた
男エルフが「お前と似て可哀想な人が見捨てられないだけなのかも知れんぞ?」
その言葉が的中しているのか女ダークエルフは男エルフの言葉を無視し
「必ず戻ってくるからね」使用人達を不安にさせたくない気持ちから確証のない言葉が出る使用人の二人は何が起きているかは聞かず心配だけをしていた
「聞き分けのいい使用人さんでこっちも助かるけどなんでその子達は良くて
俺の連れて来た人達はダメなのかね」兄は独り言のように質問した
「貴方には分からないでしょうね自分の手がどこまでも届きそうな人には
私の手はそこまでは無理なのよ、ならこうするしかないのよ・・・」
女ダークエルフの語る姿を見ていると兄は少しだけ何か昔を思い出すような気分になった、それが少しだけ苛立ちを感じたのか「時間もないしそろそろ行くぞ」と
話を終わらせ出発する事にした。
玄関から外に出ると日が昇り始めていた
「兄貴どうする、まだ二個所もあるのに時間的にそろそろ騒ぎになってるかもしれない」弟の言葉を受け兄が「分かった、なら少しむちゃするが怒るなよ」
他人から見れば独り言の様に見えるので「怒るとは何のことよ?」と女ダークエルフが聞くとどうするか考えていたせいで気づかずに声に出しながら喋っていた事に気づき
「あぁ、時間的にもう間に合いそうになくてなだからあんた達に支部の方を任せたい」兄が話をそらしつつ本題へ入る「任せると言っても無理やりにでもさせるでしょ」女ダークエルフは嫌々ながらに少し兄の性格を把握し始めていた。
「本当に副作用はないんだな」何度も男エルフが聞き直すその視線は
兄が片手に持っている虹色の液体が入った試験管にだった
兄が手にしているのは回復薬ではなく兄弟達がやっていたゲーム内にある
スキルや魔法をレベル上限を超えて使えるイベントにて入手できる消耗品
「当たり前だろ今から頼りにする【仲間】なんだから」兄の顔を見ながらに
二人のエルフは薬を受け取り互いに祈るように乾杯をし一気に飲み干した
「良くもあそこまで嘘つけるな使用期限たしか昨日くらいだろ?」
弟が聞くと「嘘じゃないさ期限が切れれば消滅するのが基本だろ
だけど消えずに残ってる、つまり安全ってわけだ」
「んー?そうなるのか・・・・」兄に丸め込まれ弟が黙ると
「おぉ?オォ!」男エルフが奇声をあげる女ダークエルフは両手で顔を隠す
兄は静かに心の中で「失敗かな仲間を量産や色々考えてたのだが」
「やっぱダメじゃねーか」弟が心の中で兄へ怒っていると
兄が警戒のため後ろへと下がり離れると
「あみゃい」女ダークエルフは顔を隠している両手が震えており嬉しそうな
可愛らしい少女らしさが伺えた「大丈夫なのかよ・・・・」飽きれながらもホッとし
気づかれない内に背に回していたナイフを消すと二人に作戦と薬の効能と
持続時間を教えた。
薬の効能時間は1時間でその間二人のエルフの場合は主に魔法を使うので
全スキル魔法を1段階上位の物が使えるので風の中級ではなく上級の魔法などが使えるステータスには影響がないので魔力切れにだけは注意し
1時間で西支部にいる用心棒3人を可能な限り殺さず拘束し人の目に触れず
奴隷達全員を必ず連れ女ダークエルフ宅に戻ってくる
顔がバレると家に来られる危険性を考慮して兄の持っていた
猫と犬の被り物のイベントアバターを渡しておいたその際
「なんでこんな間抜けな猫なのよー!!」と女ダークエルフが西に走り去るのを見送った男エルフはそれを犬の舌を出した被り物を付けながら必死について行った
「兄貴もっとマシなアバター色々あるだろ・・・」弟が飽きれながらツッコムと
「お前なぁーあれ程目立つのないだろ?わざとだよわ・ざ・っと!」兄が会話に合わせながらに
女ダークエルフ宅を離れる前に庭の辺りにゲーム内アイテムを大量に投げた
「わざとってまさか囮にするのかじゃあ西支部はどうするんだ」弟が心の中で叫ぶと
「うるさいな大声出すなよ体の中で響くんだぞ、大丈夫上級まで使えりゃなんとかなるさもしそれ以上がいたらいたでこっちにはその間に皆連れて逃げりゃいい問題は時間稼ぎなんだよ
その上で俺らには上級以上の魔法やスキルを使えるかステータス的に凄いのがいるって分かる一石二鳥だぞっと!」最後に黒い袋に入った砂のアイテムを庭に撒き
「よし!終わったぁー」兄は両手を振りながら体の汚れを手で落とすと
「これぞPK対策自宅警備員の陣だ!」女ダークエルフ宅窓から奴隷や使用人達がこっそりと
覗いていた事に気づき心配させないよう笑顔で手を振りながら兄は北の本部へ
やっと出発をした。
「本部見えて来たなデパート並みにドでかいのだがマジかよ派手に売ってるんだな奴隷って」風を切るが如く走る中で喋ると弟の返答がないもうすぐ到着する間近に喧嘩していると危ないと思い
「分かったよ、囮にはするが安全ならいいんだろ」兄が観念した事を確認すると
「でも今更どう助けるつもりだ俺らは体が一つで離れられんし本部に行くんだぞ」弟が聞くと
「俺のお姉サマーちゃんのスキル忘れてんだろ・・・・耳ふさいどけよ」兄が足を止め両手を合わせ目をつぶりながら「我が手足となりて闇を駆けろシャドーマスター!」
「ブッ」弟が体の中で思い切り吹き出し笑い「馬鹿野郎!!耳塞げって言ったろうが」兄は弟に恥ずかしいから聞くなと言ったのに対し「アハハ・・・ハァ・・・・兄貴俺魂なんだぜ?」
「できるかよw」完全に馬鹿にされて兄が苛立ちながら話を戻す
「もういいまずはこいつに」兄が恥を承知で召喚した自分の投影シャドーマスター
シーフの闇魔法と物理振りをステータスに考慮した際両方ステータスを振る場合
覚えれる自身の分身を出して同じ行動をさせるモンスターであるただ
召喚者が死ぬか一定以上のダメージを受けると消滅する
火力やレベルは召喚者の半分となってしまい狩り用には他の魔法や物理を特化させるか迷う微妙スキルである
「シャドーマスター君?ちゃん?まぁどっちでもいいが逆立ちしろ!」兄が唐突に言うとウォンと声のような音を立てながらにシャドーマスターが綺麗な逆立ちを見せた
「よしいいな、じゃあさっきのエルフ達分かるかなあいつらをこっそり追いかけて
何か異常があったら助けるけど何か計画に背く事があれば殺せいいな?」兄が言い終わると
コクッと小さく頷く「なら行ってよし!」兄の合図と共に兄と差ほど変わらぬスピードでエルフ達のいる西へ走り去った
「もう満足したろ?本当は保険で取っとく予定だったのにお前は本当に他人優先すぎんだよ」兄が本部へ再び走り出しながら言うと「名前を知った、家を借りて世話になってる、それに今は力を合わせてるんだ信じて俺らも全力で手を貸さなきゃそれは裏切りだ」
弟が喋っていると本部へついた「着いたな今更だけどさ兄貴、昨日奴隷屋に乗り込む時に目的のものが見つかるまでって言ってたけど結局何だったんだ?」弟が聞く
「多分ここにならあるだろ少しぐらい頑張ってるんだし役得って事で許してくれよ」「常識の範囲内ならな」兄弟は最後に声を掛け合うと単身にて奴隷商の本部へ入る。
次は自分的には盛り上がる所ですので
どうぞよしなによろしくお願いいたします。