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第4話敵対者と協力者(上)

女の子がここから徐々に活躍致しますので

気に入っていただけると嬉しいです。

ダークエルフ達が去って店の地下は火の海になりかけている

弟は奴隷達全員を両手両脇さらに背中に担ぎ計5人を同時に持ちながら


地下から店前の路地裏へ跳躍した、5人同時に運ぶ事すら驚きな上でフルアーマーで一階建ての家を飛び越えられる勢いに弟自身が奴隷達より驚いた


着地の際に地面に亀裂が入り奴隷達を下ろした後同じようにだが

今度は地面に亀裂を入れないようにに力加減ができ、地下に居た奴隷達を運び終わる




地下の火は徐々に上に登り数分で隣家に燃え移る勢いだそれに対し

攻撃魔法のない弟は火の消し方に迷い何か持ってないかと鎧中を探ると



腰に赤茶色の皮袋がある事に気づきとりあえず中を探り

火が消せそうな物をと考えながら中にあった物を出すと明らかに


入るはずのない大きさの水色のクリスタルが出てきた

その行動を今まで静かに見ていた奴隷達が手品のような出来事を見て


「おぉ・・・」と称賛の声が上がるが皮袋から出たのは奴隷達からすれば

石ころに過ぎない物に見えたが、弟はそのクリスタルを見て喜ぶ



その手にしているクリスタルこそ、この世界に連れて来られる以前に兄弟が

プレイしていたゲーム内アイテムだった





ゲーム内では属性攻撃を持たないキャラクター救済の属性付きの投擲アイテム

NPCが売っているので魔法攻撃がない弟のナイト丸は大量に様々な属性付きクリスタルがあった


弟がゲーム内アイテムを出しているうちに

店の地下から昇って来た火の手は店に燃え移り隣家を焼きそうな勢いになっていた


それに弟は驚きクリスタルを咄嗟に火の海の中に投げ込むと

クリスタルは火に触れた瞬間に大量の水となり一瞬にして鎮火した




その光景を見て奴隷達は弟に計り知れない力と恐怖を感じてしまい逃げ場がないせいで全員が路地裏の壁に体を寄せてしまう、弟はそれを意に介さず奴隷達に近づく


怯える姿を見て弟は初めて気づいた助けたはずの自分にすら心を開かず

恐怖してしまう程に傷つけられた奴隷達の心に


弟は奴隷達を前に兜を取り唯一の武器である両手剣を地面に置き

丸腰だと言わんばかりに両手をあげた、だがやはり互いの間には無言が続き




奴隷達からの敵意と警戒心は解けない

このままでは時間だけが過ぎていく、弟はまだ助けに行かなければいけないというのに


今目の前にいる人達すらも本当に意味で救えない事に焦りを感じてしまい

その焦りが顔に出ていたのか奴隷の中でも子供達が泣き出してしまった


「どうすればいいんだよ泣きたいのは俺なんだが」重い空気と子供達の鳴き声

奴隷達からの敵意の目線そのすべてが弟を追い詰める


「しょうがない俺に変われお前じゃ無理だろ」体の中から兄の声が聞こえ

弟は奴隷達の前でいいのかと一瞬頭によぎったが今すぐこの場を変えたい気持ちが勝り


せめて変わる瞬間を見られぬように先程までいた地下室の方に飛び降り

奴隷達の死角に入った隙に兄へ体を変わる




兄は地下室まで落ち、同時にそのまま奴隷達の元まで跳躍し

綺麗に円を描く形で奴隷達の目の前に現れた


それに対し先程までの鎧を着た男から今度はダークエルフのような女が飛び出してきたので奴隷達が多少心の中で自由になれるのではと思っていた気持ちが消える





「あんた達全員は運が良かったね本当に良かった俺達に助けられたのだから

さっきまでいた鎧の奴は他の場所へ向かったので俺について来れば自由だよ」

兄は女らしさを装うが面倒なのでいつも通り喋る



奴隷達がダークエルフの兄への敵対心は弟の時の比ではなかったそれに加え武器もなければ人数も一人に足してこちらは10人いて男が5人、相手を信じるより殺してでも自由を掴む


奴隷達には相手を信用できる程の心に余裕はなかった、兄へ対し男5人が襲い掛かる弟の「火に油注いだだけじゃねーか」そんな叫びが体で響く中で兄が予想通りとばかりに


焦らず丁寧に一人目の殴りかかってきた拳を上半身だけを右にずらし避けて

腕を掴み上げそれを相手の背中へ回し自らの盾のようにした他の4人は後ろへ少し身動ぐ


「いきなりさー、こんな美人な子を襲うかねーそりゃ俺も襲いたいけどもそれ今されると俺がされるわけじゃん、なんでそれはなしの方向で」兄がまるで遊ぶように話していると







「兄貴変わったんだから真面目にやってくれよ」弟の言葉に対し仕方なく

掴んでいた腕を離し奴隷達が全員こちらを見た瞬間聞き取れない程小さな声で


「ブレインジャック」奴隷達の目線が一瞬歪みすぐに戻るそれを見た兄は

自らの服を少し脱ぎ背中を出した、そこには驚く事に奴隷達と同じ焼き印があった



「俺実はダークエルフと人間のハーフなんだ・・・・」少し切なさを顔に出し



「ハーフだって聞いたら分かるかも知れないがマニアに幼少の頃に売られたが運よく逃げ出せてなそのあと奴隷にされた同族のハーフエルフや人間を救いたくって」


「それでなっ・・・」兄が言葉に詰まった素振りを見せつつ目に涙を浮かべる

先程店前でヒーから教えてもらった事を適当に作り話にして話しただけだが


そこには先程まで怖かったダークエルフではなく見た目も美しいせいで

嘘により一層拍車が掛かり見事に可哀想な元奴隷に見えていた


奴隷として同じ苦難を味わったであろう仲間に奴隷達は感じてしまい

「すまなかったそんな事とは知らずに・・・・」殴りかかって来た奴隷の一人が謝罪すると


その男をきっかけに他の奴隷達も「貴女の事を信じますね、だって同じ仲間ですもの」「さっきのね鎧おじちゃんすごいねお姉ちゃんも強いの?」と慰めようと



女や子供達も信用したかのように寄ってくる気づけば

囲まれている兄は奴隷達に適当に返事をしながら心の中で弟へ自慢げに


「魔戦士の幻覚魔法と少し情に訴えればこんなもんよ」だが

「元の姿じゃダメなんだろうな~、美人パワーか?ハァー」と少し弟に愚痴をこぼした



兄のダークエルフお姉サマーは攻撃系魔法とナイフを使う

通常は魔法特化の魔導師か物理特化の戦士にするが対人用に組まれた


兄のお姉サマーは下級系の攻撃魔法とデバフ系の魔法を取りつつナイフスキルを多量に取った複合型になる、逆に言えばゲーム内ではあまりNPC戦には不向きである







「兄貴いくら話を聞いてもらうためとはいえ、さすがにそこまではまずくないか?」

弟が嘘に加え幻覚で焼き印まで投影をしているの事に不安なのに対し兄は前向きに


「大丈夫に決まってるだろずっと一緒にいるわけでもあるまいし」

兄が弟に話しを終えると、兄は奴隷達に大げさに右手を上げて全員に注目を集め



その手を自分の口元に近づけると人差し指だけを立て静かにするようにジェスチャーをした兄のジェスチャーに気づき全員が喋るのをやめた。







明かりの消えた大通りには二人の気だるそうな女ダークエルフと男エルフ達がいた

二人の内、男エルフは夜目が優れていないためか松明を持っている


二人は緑色の同じ制服の様な物を着ている二人は辺りに

警戒しながらに街中を歩いていた


その様子を路地裏から兄と奴隷達が息を潜めながら観察していた

すると奴隷の男が「ヒッ」と化け物を見た様な声を出した



兄が大通りにいる二人が誰かわかるか聞くと男は焦りながらに

「逃げましょう!アレは軍の警備兵ですよみつかったら仲間が来て

皆殺されます」男の焦りが周りに伝染するかの様に



「やだよー、また暗いお部屋やだよお姉ちゃん・・・」子供達は悲しげに

助けを求め泣き出してしまい大人達が必死にそれを止める







その光景に昔の弟が泣いていた過去が重なったのか

「惨めすぎる泣き顔は嫌いなんだよ」兄が珍しくも真面目な顔して

子供達に兄は弟がやっていた事を思い出し、ズボンにあるポッケを適当に探ぐり


すると思っていた通り欲しかったゲームアイテムが出てきた

それは色鮮やかなケーキ、ポッケから食べ物が出た事に驚き子供達は泣き止み


大人達は口を大きく開けて固まっていたケーキには火花散るロウソクが刺されており大人達に渡しながらに言った「俺が戻って来るまでこれ食べてな」





兄の言動に先程の男が「だめだにげ」と言葉が止まってしまいそれと同時に

二人のエルフ達が兄の後ろにいた、エルフ達が杖を構えながらに警告する


「お前達奴隷だな逃げ出した奴隷は見つけ次第に殺せと言われている」

女ダークエルフの言葉に、泣き止みかけていた子供達はまた目に涙が溜まり始めた


「残念ながら慈悲はない種族の違いを恨むんだな」男エルフが言い終わると

エルフ達は同時に中級の風魔法を撃つ当たれば路地裏にいる全員を同時に殺せる程の威力





兄はエルフ達側に振り返るとその勢いで「凍てつけ氷結の槍」

少し恥ずかし気に顔を赤らめながら言い放った、その言葉通り氷の槍が幾重にも


兄の後方から放たれ風魔法と相殺し氷が雪のように路地裏に

降り注ぐ、エルフ達がその事を確認したも束の間兄の姿がなく恐怖を感じたのか

今さらに増援を呼ぶための笛を吹こうとしたが


その手にはフォークを持たされていた訳が分からず二人が

驚きながらフォークを二人が捨てると、落ちる瞬間に兄が拾い上げながらに目の前に現れた「お前どこにいた」男エルフの泣きそうな声に笑いながらに





「仲間は呼ばれると困っちゃうからさ一緒にケーキ食べててくれるかな」

兄がじりじりと両手にケーキを持ちながら間合いを詰める、エルフ達は風魔法を連射するが


その度に先程同様氷の槍が降り注ぎ兄の盾となる、エルフ達が何も考えずに恐怖で

乱射したせいで盾となった、氷で路地裏には綺麗な雪が降っているように見えた




その不思議な光景や兄の馬鹿の様な行動が子供達にあった恐怖の心を消していき、いつの間にか希望のある目になっていた




その後魔力の切れたエルフ達は自分達が持っていたロープで縛られ

口には火花散るロウソクの刺さったケーキがぶち込まれ子供達が無邪気にその姿に笑っていた


「うん、うんやはり幼女には笑顔がいい・・・・・ウェヘヘ」凛としたダークエルフの姿には似つかわしくないキモい笑いをする兄を無視をしつつ弟が兄へ


「どうする兄貴ここじゃいつか見つかるし一時的でもいいからどこか安全な場所考えないと」兄が任せろと言わんばかりに女ダークエルフから奪った部屋の鍵を出した




「さっきケーキぶち込む前に聞いといて良かったぜ結構お嬢さんみたいで両親別暮らしの使用人二人だってよそこ行くぞ他の場所はその後だ」エルフ二人を歩かせながらに


女ダークエルフの屋敷に奴隷達を連れ密かに早々と向かうのであった。

今後の女の子登場回

ご期待して頂ければ光栄です。

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