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第3話正義と奴隷後半

ズーズ帝国

そこには日の明るいうちは街の中央にある噴水広場を

軸にレンガや木材などで建てられた様々な店が並んでおり


帝国内には森や川などがありエルフ達は

そこから商品を仕入れたり


帝国外での狩りのための武具屋には弓矢やナイフが

大半を占めている、それはエルフ族達は人間より


筋力が劣っているが五感や足の速さにすぐれ

得にダークエルフ達は夜目が良くそのおかげで


狩りの際に筋力が必要な剣や斧より弓矢やナイフが

多く使われている、さらに戦時には白兵戦を避け


弓兵による防衛戦やダークエルフ達による

夜間での強襲や暗殺を主としている。






街の東側商店通り


「夕方だしまずは宿屋とかないのか探さないとな

クエストは明日からだな」弟が体の中で喋りかけている


兄は半日走り続けた事より門番達との事で大分疲れた様で

弟の話など一切聞いていないそれに弟は我慢の限度で


「あぁ!いい加減しろよ!そろそろどっか見つけないと

野宿だぞ」弟の苛立ちが通じたのか兄は仕方なしに宿を探すが


宿を探してもエルフ族しか入れない街ゆえ旅人は一切来ない

そのせいで宿屋など全然なく、歩き回るうちに暗い路地裏に居た


兄が灯りを見つけ近づくと宿屋かどうかをこの世界の文字が

読めない兄弟はヒーに聞くとヒーは看板に近づき


「ここは人間種のみを扱う専門店です。」「それってつまり・・・・奴隷売ってたりするの?」兄が興味を持ったようで詳しく聞き出した


「はい、人間種のみですが売っておりますエルフ族は

基本同種以外は労働力や魔力の高い者は大魔法を使用する際に必要な魔力として使います」



「ただ稀に人間や獣人とのハーフエルフは貴重なためコレクターに高値で売られており、また純エルフ族以外は人間ではないとの考えからエルフ族内でしかない文化です」ヒーが答えると



兄が「この世界に人権どうのってのはまだないのか」と悲しそうに首を振り踵を返すが体が輝きだし、体がフルアーマーを着た男、弟のナイト丸へと変わりガシャリと重量のある音がする


「どこまでの事ができるか分からないがこんな酷い事許せん!」

弟は兜からでは見えないが何かのスイッチが入ったかのような怒った表情になっていた、そして兄へ脅すように告げる「悪いが兄貴、終わるまで黙ってろよ」


兄が弟の病的なまでの正義感を思い出し、最後に兄は飽きれながら一言

「目的のが見つかるまでだったらいいがお前できんの?戦闘になるぞたぶん」


兄が言い終わると同時にドアの前での鎧の音に店のエルフが出てくる

「誰だ?・・・奴隷をおさがっ」言葉の内容を半ば理解したと同時に


弟の裏拳がドアと店のエルフごと、路地裏の闇へと吹き飛ばした

「分かってる、けど見捨てる方がもっとできないんだよ!」弟の覚悟を見て兄は見守る事にした。





その大きな物音に反応するかのように店のカウンター裏にある部屋から

ナイフを持ったダークエルフの男が3人出て来た、

どれも先程のエルフとは違い屈強な体で戦闘経験のある者ばかり


弟は両手剣を握る事はせず小さな声でバフ魔法を唱える

「ブローアップ」「シャインアーマー」「マジックカウンター」


弟のナイト丸は職がナイトなため、魔法攻撃はなくパッシブ系の加護や自己強化ばかりで自分への強化のバフ魔法か相手への能力ダウンのデバフ魔法で合わせて5個しかない


その中で今発動したのはバフで

火力アップ、光属性付与と相手の攻撃でのけぞらないハイパーアーマー、

自身への魔法防御増加と受けたダメージ分を5割返す


そのせいかバフの恩恵と怒りでダークエルフ達からは弟が

鬼神の如き迫力に見えたが3体1での人数差に加えお互いの連携の良さを考え


勝利を感じたのか中央にいるリーダーの合図に2人のダークエルフが

左右に分かれ部屋の壁を蹴り勢いを付けて兜と鎧の隙間から覗ける首元を


2人同時に左右から勢いを付けた高速のナイフで刺しに掛かるが

両手で迫るナイフを2本とも手首を掴む事で止める


ダークエルフはフルアーマーでの予想外な速さの動きに

驚く暇すらなくそのまま壁に叩きつけられ血を吐き出しながら気絶した


リーダーのダークエルフが本来は首を刺し終わるはずだった仲間達の戦闘が

予期していない終わりを迎えたと同時に保険として準備していた


風の中級魔法の詠唱が完了し手に持っているナイフを風が覆うと

弟は魔法を不思議そうに確認しながら首をかしげ


ガシャリとダークエルフへ歩を進める

歩きながら近づく事に苛立ちと不快感を感じたダークエルフが


「俺の風の魔法が見えないのか?止まらないとその高そうな鎧ごと

逝っちまうぞ!」ダークエルフの怒声を無視しさらに距離を詰めると


「死ねや!」その言葉と同時にナイフから弟へ

風の斬撃が迫り体を引き裂くと考えていたが


逆に風の斬撃は当たると同時に鎧に傷すら付けず術者へと帰って来た

それを目の当たりにして、ダークエルフが死を覚悟した瞬間


弟が驚き両手剣を居合い切りのように風魔法を地面ごとを切り伏せる

地面が割れて店地下にある部屋までダークエルフのリーダーと弟は落ちた。






弟が落ちた部屋は松明で照らされてはいるが松明の数が少なく

鉄格子でいくつも分けられた部屋が数か所あるが部屋の中までは見えない


だが弟は不快感と憎悪を込めて一緒に落ちたダークエルフに問い掛ける

「死んでないだろ・・・・切ってないし」 「そうだが何故だ」


力量差を感じ無抵抗にも落ちたままの姿で大の字に寝そべりながらに

ダークエルフが質問をする


「帝国にはちゃんと申請し許可を得た店だぞ何故襲う、奴隷狙いの盗賊か?

盗んだ所で焼き印をした奴隷だすぐに店がバレて捕まるぞ」


見当違いの質問に弟はダークエルフの首元を握り、人形のように持ち上げた

ダークエルフは抵抗しても無駄と思い「殺せよ奴隷だってくれてやるだから

上で倒れてる二人だけは見逃してくれ・・・・頼む」


恐怖に震えながらリーダーとして仲間達の命乞いをする

弟はダークエルフの覚悟を見て告げる


「何故仲間を助ける優しさがあるのにこんな酷い事ができる!!」

弟は理不尽な出来事に怒りで手に握るダークエルフの首を折りそうになるが

空いてる手で松明を取ると部屋の鉄格子に向ける


そこには痩せこけた子供や大人を男女に分けてベットもない部屋で両手に鎖を付けられ捕まっていた、全員が目には光がなくこちらを見て怯え震えていた


弟はその様子をダークエルフに見せると頭の狂った者を見るように

「お前何言ってんだコイツらは人間だぞエルフじゃない、王が決めた事に逆らうのか」



「俺はまだこの世界について何も知らない・・・だけど!」弟は怒りのあまり松明を砕く、部屋には火が飛び散り店に燃え移るのも時間の問題となった


力を入れていないはずが身体を上手く扱えず思い通りにならない「くそ・・・まだ不慣れだな」


奴隷達は逃げ場のない中慌てふためくその惨めさを目に焼き付けると冷静になり弟は断言した「この帝国には奴隷店はどれくらいある、全部言えばお前も仲間も助けてやる」


「そんな事聞いてどうするんだよお前」ダークエルフは自分や仲間が助かる事より

恐ろしい事を聞かれて驚いたが答えるしか道はない


「他に2か所だ1か所はここ東支部と同じ作りの西にある西支部だうちと同じで

用心棒を3人雇っているが・・・・」上に空いている自分が落ちた穴を見ながら続ける


「どうせお前だったら一瞬だろうがな、だけど北にある本部は違うぞ用心棒十数人に加え王直属の兵がいるらしい相手にしない方がいいぞ」ダークエルフのリーダーは自分が


この男に何故ここまでの助言をしているのか、心のどこかでこの男の

言っている事の正しさと自分が犯してきた罪への贖罪を託しているのだと気づいてしまった


「そうかありがとうお前は上の二人を連れてこの場を離れろこの人達は俺が

連れて行く」そう言うとダークエルフの首を離し両手剣で鉄格子や奴隷達の鎖を切っていく



その姿を尻目に急いで仲間二人を抱えその場を

離れるダークエルフのリーダー、仲間の一人が意識を取り戻し


「俺達どうなって、何でリーダー笑ってるんで?」

リーダーの表情に驚く普段は無感情な彼がこんなにボロボロになりながらも

笑っている事に、リーダーは笑いながらに説明する


「殺そうとして来た相手を助けた挙句にはありがとうだとよ

そんな狂った奴いるんだな。」


リーダーが言っている意味は気絶していた彼には理解できなかった

だがリーダーが何か得る物があったのだろうと彼らは去って行った。

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