胸トレの日
「さーーっ今日も楽しい楽しい筋トレの時間だぞっ!!」
いつものテンションでせまってくるイワタ、暑苦しさもいつもの2割り増しだ。
「すいません、昨日の筋トレと今朝の走りこみで足がもう動かないので今日は休めませんか?」
「ノンノンノン!だめだよピッグ!そんなことじゃ半年で50キロなんて痩せれないよ!!大丈夫今日は胸の日だからね!!!」
「胸の日?」
「おっとぉ!こいつはいけねぇ!イワタとあろう者が筋肉の説明をわすれていたな!真に筋肉を愛する者は毎日!別の!部位を!鍛えるのだよ!」
「そこまで愛しては・・・それに何の意味があるんですか?」
「意味?大いにあるさ!毎日別の部位を徹底的に鍛えることで明日も明後日も毎日毎日筋トレできるんだよ!こんな幸せなことないじゃないか!!ピッグくんは初心者だから一週間で6日足、胸、腕、肩、背中、腹、体感の順番でやっていくからね!」
「え・・・それじゃ休める日は1日だけじゃ・・・」
「うん!1日もあるね!それじゃ今日は胸をやっていこうか!その前にbcaa飲んでくれよ!今日はグレープ味だからね!モチベーションもあがるだろ?」
とモチベーションを無理やりあげようとしてくるイワタ
「それじゃ今からやる種目はベンチプレスだ!ささっベンチ台に寝転がってくれ!そして最初はバーだけもつんだ、僕が補助するから心配はいらないよ!」
ゴロリとベンチ台に寝転がり、バーを持ちあげるピッグ
「おっ以外と軽いな・・・」
「バーだけなら10キロだからね!じゃ持つ位置を修正しようか、手は肩幅より少し広げて・・・そうそう、次に下ろすところは乳首の位置だよ」
そういいつつ乳首を触るイワタ、だが顔は真剣そのものだ。
「じゃここに下ろしてみようか、そう、いいね、はい、あげて!」
イワタの号令そのままにバーをあげるピッグ、一回程度なら軽いもんだ。
「はい、次に肩甲骨をよせて、グッと胸を張るんだ、そう、そして足は開いて、おしりはつけて、よし、パーフェクトだ」
イワタになされるがままフォームをかえていくピッグ、そして一回二回とバーを上げ下げしていると
「よし、そこまで!」
そのままバーを補助器具のまで乗せるピッグ、するとおもむろにイワタが重りを足し始めた。
「どうだったかいピッグくん?まあ今のはウォーミングだからね!これから本番だ!まずは20キロからスタートだ!」
イチニッサン、ニーニッサン、サンニッサン
ピッグ20キロ12回をなんなくクリアー
「ほう、流石は兵隊、20キロなら余裕そうだね?」
「ええ、これでも訓練していますから」
「じゃ次は40キロでいってみようか!これは成人男性が持ち上げることのできる平均の重さだよ!」
イチニッサン、ニーニッサン、サンニッサン・・・
「ふん、これも難なく1セットクリアーだね、ピッグくんは上半身強いね!さーて!問題はここからだ!次から追い込んでいくからね!次は50キロ限界までやろうか!」
「え・・・12回で終わりなんじゃ?」
「たった12回だとピッグくん疲れないだろ?筋トレは効率も求めないとね!いくぞーっ!気合いれていけよ!やるぞっ!やるぞーっ!」
イチニッサン、ニーニッサン、サンニッサン・・・ピッグは余裕そうだ。
キューニッサン、ジューニッサン・・・少しピッグか疲れてきたようだぞ
ジュウサンニッサン・・・ここでガクッっと疲労がきたようだ!
「いける!いけるピッグ!ジュウヨンニッサン、ジュウゴニッサン!」
「ぐ・・・ぎ・・・・」
「はい、支えるから!ジュウロクニッサン!」
そういうとイワタがピッグの手をそっともつ、すると少し元気を取り戻したのかピッグは16回目もクリアした
「はい!次!ジュウナナニッサン!」
「ぐっ・・・もう・・・」
「いけるよ!いける!補助するから!!17回目いけるよ!」
何とかピッグ17回目もクリアー、ふう、これでこのセットも終わりかと思ったその時
「はい次!ジュウハチニッサン!後2回!後2回だから!!ふりしぼって!!!」
ガクッっときた気持ちを立て直すピッグ、すでに息を止め顔が真っ赤、そして目から火花が飛ぶ、しかし、その回あってか18回目もクリアー
「息整えて!最後!最後だから!ラスト1回振り絞って!!!いくよ!!!ジュウキュウニッサン!!」
なかば強引にスタートの合図を出すイワタそれと同時にバーベルがゆっくり下がっていく。
「はい!あげて!あげて!もう足使ってもいいから!最後!振り絞って!あげて!あげて!あがる!あがる!」
そうイワタが励まし、補助を入れるもピッグの腕は上げる途中でピタリと止まってしまった。
「あと少し!ここで振り絞る!いける!!」
イワタの補助もあってジワリジワリとバーベルがあがっていく
「ぐいいいいいいいい!!」歯をくいしばりながら叫ぶ!そして・・・
「ナイスファイト!!ピッグ!お疲れ様!これは終了だよ!筋肉にきてるだろ?喜んでいる証拠だよ!!」
しかしながら床に倒れたピッグはピクリとも動かない、いや、うごけないといった方が正しいのだろうか、酸欠で頭がボーっとしている
「はぁ・・・はぁ・・・」
「お疲れ様!少し休んでていいからね!水分ちゃんとるんだぞ!」
そうはいってももう腕がピクリとも動かない、まさに力を振り絞ったピッグ、だが嫌な疲れではない。数分してようやく動けるようになったら水筒からごくごくと水を飲む。
ぷはぁーーっと息をついて今日はもう終わりだろう、腕もあがらないぐらい頑張ったし良い汗をかいた、これなら胸を鍛えるのが好きになりそうだなと思っていると。
「さっ!次はインクラインベンチプレスだ!」
そういってイワタはベンチ台の種類が違う物をもってきた。ピッグがぽかーんとしていると
「今までは胸の上部の筋肉をつけるものだからね!次は胸の下部を鍛える種目をしないとね!」
と、嬉しそうに言う。どうやら地獄はまだ始まったばかりのようだ・・・