5/8
【多利茅】 花鶏銃 ①花屋
「よ、久しぶり」
「こんにちは!花鶏さん」
産後で体調がすぐれない母の見舞いに花を買いに来た。
「きいたよ、お袋さんが再婚してから妹弟ができたんだってな」
「……はい」
そのせいで母が入院することになり、最近は義父に料理を作っている。
――母の再婚で新しい父と小さな妹ができた。シングルマザーのありふれた時代、とくに変わった話ではないし普通なら喜ばしい話。
「つかえねー姉ちゃんでちゅねー」
「あぶ~」
醜い義父に似て醜い顔をした赤ん坊。ドラマでお馴染みの不幸な待遇。
唯一の救いは赤ん坊の世話を義父がすべてやることだろう。
私が赤ん坊に毒を盛るんじゃないかと危惧しているらしい。
義父が私を嫌うのはおそらく前夫の子だからだ。
「それが済んだらタバコ買ってこい」
――ああ、早く消えてしまいたい。
私がいなくなればすべてまるくおさまる。