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【柊茅】柊榛 ①やんちゃな弟
「姉ちゃん?おーい姉ちゃん!」
ソファでうたた寝をしていると、弟が私呼んでいた。
「ふあーあ……もう、なんなの……?」
あくびをしながら、ヨウケンを聞く。
「なんなの……? じゃないだろー 今何時だと思ってんの?」
弟は時計を指さし、ため息をつく。
「私五分くらいしか寝てないでしょ、まだ9時で……」
―――時計の針は1時をさしていた。
「今日が休日だからいいとして、明日からまた学校なんだけどなー」
記憶が曖昧で、今の状況を把握できない。
私は何者なのかもよくわからない。
だけどそれを悟られたら、だめなんだってことはわかる。
「マジで!?カレンダー見せて!」
うたた寝をしていたのに弟はたいして驚いていない。
ということは、私は普段からボケっとした姉なんだろう。