表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

出会い

ど う し て こ う な っ た !


私は荒くれ者たちが集まる依頼屋(ギルド)メンバーの一人だ。


いつものように依頼が終わって依頼屋(ギルド)に戻ってきて、受付のリリィさんに報酬を受け取り、それから私が借りている依頼屋(ギルド)の三階の空き部屋に戻るという流れを半ば現実逃避のように脳内再生していた。


今日の依頼の討伐モンスター、ドンマリモ 収集物、マリリン五個


ドンマリモは見た目はでかいマリモだが、表面(苔)を削ぐとうねうねした気持ち悪い巨大なミミズに早代わりという気持ちの悪い奴である。ちなみに表面(苔)を削がないとどんな攻撃でも跳ね返す。

はじめに火のついた矢を三本ほど撃ちこみ表面(苔)を燃やす。表面(苔)が無かったら物理が一番効くのでそれを私の相棒である弓で撃って倒し、体内にあるきらきら光っているきれいな石、通称マリリンという石を依頼で五個集めている真っ最中だ。

ただ、そのドンマリモの体液を一滴でも触れるとそこからドンマリモ特有のミミズ化というものが進み、早くて三日でドンマリモになってしまう恐ろしい特殊効果を持つ。

マリリンを体内に持っているものは大抵大物で、しかも大物でさえも持っていることが稀であり、依頼でそれを五個も集めなければならない。その分報酬は人一人が半年遊んで暮らせる位の報酬がもらえる。


話はそれるが、

そもそも依頼屋(ギルド)にはランクがあり、ランクが高ければ高いほど報酬も高くなるし、ランクが上がるごとに何か特典が付く。

ランクはしたから Dランク、Cランク、Bランク、Aランク、A+ランク、S-ランク、Sランクがある。

今、私はS-ランクで、今年で最後の昇格試験をかねた依頼のためにできれば一生相手したくない魔物ランキングの第十番目に輝いたドンマリモを狩っている。


Sランクに昇格したら、報酬も今までの二倍の報酬をもらえて、尚且つ今まで受けれなかった超難易度は高いが報酬がありえないほどもらえる依頼も受けることができるようになり、特典としてこの、強くて厄介なものだらけでもあり、希少価値の高い石や草などある《森》の自由入場許可書がもらえるというのだから昇格試験をかねた依頼は是非とろうと待ち望んでいて気合も十分だ。

実はドンマリモは接近戦など直に相手に攻撃を加えるものにとっては脅威だが、遠距離など絶対に体液がかからわないものにとっては厄介な強敵のなかでも倒しやすいモンスターなのだ。

結局マリリンを収集するときに体液に触る可能性がある解体作業をしなくてはいけないので危険に晒されるし、厄介なものは厄介なのだが。私の場合、主に解体が。


「きゅう」


今のはちなみにドンマリモの断末魔の悲鳴である。見た目が気持ち悪い割に声がものすごくかわいいので大抵の場合耳栓をして狩る。ドンマリモは弓で攻撃するとまるで人間そっくりの声で


「やあん、もっとお」


と、(ものすごくかわいい声で)言いながらうねうねと醜いからだをくねらせこっちに近づいてくる。ちなみにこの様子はホラー映画や18禁な映画にも採用されている(声だけ)。この姿を見て失神したものも数多い。とまあ、以外にいろいろなところに活用されているこのドンマリモは、一見死んだように見えても実は死んでいないことが多いので二、三発矢を撃ってこちらにこないか確認する。


くちゃぁ


いいいいいいいいいいいいいやああああああああああああああああ

三発矢を撃ったらいきなりドンマリモの体がくねり始めた。しかもぐちゃぐちゃいっている。


・・・やだもう、こいつ嫌い


そのまま体をくねらせこちらに向かってくる。


「もっとぉ、もっとぶってぇ」

「ぎぃやァアア」


私はとっさに背中にある矢を入れる矢筒と一緒に背中に固定している長剣を鞘から抜き、体液が飛び散らないようにすばやくドンマリモを端から解体(みじん切り)する。

切っているあいだずっと恍惚とした声で「もっと」とか「そんなにだめ」とか訳の分からないことを喚いていたが、私は何も聞いていない。

切り刻むついでにマリリンを探す。

まあ、大抵無いしな。とりあえず、もう私、帰りたい。

と、まあ半ばやけになって探していたらドンマリモの人間で言うと脳にあたる部分にそれはあった。きれいな大粒の青色のマリリンと珍しい真珠のような少し小ぶりな淡いピンクのマリリン、二つだ。それらを長いピンセットもどきで取り出す。

だって、素手でミミズの体液まみれのものを触りたいか?答えは(のー)だ。たとえ手袋をしててもあんなにダイレクトに伝わってくる感覚は隠し様が無い。

取り出したマリリンを近くにあった水溜りで丁寧に洗う。

・・・水溜りが白くにごった。

ギルドに出すものは青色のマリリンにしよう。もう片方のマリリンはもらっておこう。いざというとき金に換えるためにな。青色のマリリンをギルドに入ったときにもらえる冒険用ポーチの中にしまい、もう一つのマリリンは首に下げている猫の小物入れの中に入れておく。ドンマリモは火で溶けるので火を放ち溶かして土に返した。土に返さないと後からものすごいことになるからな。うん。


これで最後だ・・・。


やっと収集が終わり達成感を感じていると、近くの茂みから何者かの気配を感じた。


モンスターか!?


とっさに長剣を構える。

近くの茂みから真っ白な子狼がかわいそうなほど震えながらよちよちこっちに近づいてくる。

何者かの気配は、この真っ白な子狼だったようだ。

とっさに感覚を研ぎ澄まして子狼以外に気配がないか探る。気配が無い・・・どうやら親とはぐれたようだ。


私を親と勘違いしてるのか?野生だったらまず近寄ってこないしな、野生の勘で人間だって分かるしな。

生まれてすぐ飼いならされたところを逃げ出してきた?ま、いっか

真っ白な子狼はよくよく見れば生まれたてのようだ。

そう考えるとやっぱり勘違いしてるのか?


私は多分襲い掛かってはこなさそうな子狼のぎこちない足取りで近づいてくる様子を観察する。まあ、この程度の狼ならいざとなったら襲い掛かってきても素手で倒せる。

長剣を鞘に収めどうしたものかと考える。


仮に、これが本当に親と勘違いしてたら拾ってやるしかないのかな?ギルドははたして飼う事を許してくれるのか?というか、私に近寄って何をしたいんだ?もふもふしてほしいのか?もふもふしてほしいのか?


いつのまにか私の足元まで来て私を見上げている子狼に思わず抱きしめたい衝動・・・もといもふもふしたい・・・もとい保護したい衝動を抑えて子狼にしゃがんで目線を合わせる。


や、やっぱかわええ


きっと今の私の顔は緩みまくっているであろう。私だって一応年頃の女の子だ。しかも動物大好きだ。

真っ白な子狼はしばらく私を目をじっと見て、こう言った。


『俺をお前の使役獣にする権利をやる。』


・・・はい?


ドンマリモはどMの範疇を凌駕するほどのどMです。

みなさん大きいマリモには気をつけてくださいね、ドンマリモかもしれませんよ?

ちなみに、マリリンは大粒ダイヤモンド並みに高値で取引されています。私もマリリンほしいな~


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ