甘い
「そばにいるよ、ずっとずっと
いつまでも。」
なんて甘い言葉
拠にしたいのに冷たくて
頬を濡らすそれは
よく知らない水だった
これはなんて不味いんだろう
「ずっとずっと、そばにいるよ。」
汚い水が止まらない
どこから溢れてくるのか分からない
目をぬぐっても流れてくるけど
きっと出元はここじゃない
悲しくなんてないんだから
「ずっと、君といっしょだよ。」
冷たい肌して笑わないで
私はあなたのようにはなれない
あなたが動かす唇が
生きてるってことだった
暖かくて赤いあなたの血
私にまとわるあなたの血
それがあなたの一部分に思えて
たまらなくなって抱きしめる
もう離さない
あなたは私に言ったよね
ずっと、そばにいるって。
「ずっと、そばにいるよ。」
またあなたは口ずさむ
もう何度言ったんだろう
甘えたくなるよ、その言葉に
蘇るならもう一度
変わらない日々でまた会いたい
幼いときに逆上がりして
何気ないことで喧嘩して
仲直りにアイスを食べて
バイバイって手を振った頃
変えれないあの愛しい日々
それはチョコよりも甘くて
飴のように溶けて
二人一緒でひとつだった
他にはもう何もない
私にいつも甘かった、あなたのそばにいたかった。