その5【人見てぽえぽえ】
はぁ……(クソデカため息)
私、北村陽(/(^o^)\)
はぁ……(クソ重ため息)
どうして私は頑張っておしゃれをしてるのに、色合いがダサいと言われてしまうのか(憤慨)
見たまえ、あのカップルを(ピシッ)
あの女の部屋着みたいな服、ドブから抽出したみたいな色合いなのに、どうして彼氏いるの?(WHY?)
あーあー、そういうことか。私わかった(自己解決)
付き合いたての頃は頑張っておしゃれするけど、
だんだん打ち解けていくうちに服装選びがテキトーになっていくってやつだ(あるある)
いいなぁ、いいなぁ(羨望の眼差し)
私の方がきれいなツラしてるけど、あんたはきれいになじんでて……(――)
――ピロリロリン!(北村に電流走る)
……いや、待てよ(起)
そうだ、私はきれいだから、過度に着飾る必要がないんだ(結)
もとから完成された絵に、余計な色を塗る必要はない(承)
だから私が着る服はすべて色合いがダサいと言われてしまうんだ(結)
――フッ、フフフフフ(完全理解からの暗黒微笑)
あぁ、まるで私は花、そしてあの女は果実のようだぜ(超解釈)
私はきれいであり続ける必要のある花(彼氏見つけるためにおしゃれしないといけないからね!汗)
あの女は実を結んで花びらが落ちてしまった果実(もう彼氏いるから服装テキトーでいいもんねっ!!怒)
チクショーッ!!!(小梅太夫)
「――フッ、そういうことだ」
「おっと、そろそろこの声がすると思ったぜ!――もう一人の私!ぽえぽえタイム突入だ!」
「そう、ポエムとは、日常に潜む流動的な情景を詠み表す一つの手段。今、お前の胸に浮かび上がったその考えは、まさに世界で一つの宝物そのものだ」
「言われなくたって、わかってるさ。私はもう、立派なポエム星人なんだから!」
「さぁ行け、そなたは翼を授かった。誰も止めることはできない」
「北村、いっきまーす!」
この瞬間、私の心のページに一つの詩が浮かび上がった。
※ ※ ※
実は結び、やがて花は散る。
あとは種を宿すのみ。
着飾る色を、種は必要としない。
着飾る色は、私のためにある。
鮮烈に、その目に留まれ。
私が枯れゆくその前に、
数多の色から私を見つけて。
願いはひとつ。
私は春を、見てみたい。
※ ※ ※
「この状況から、ここまでの詩を見出すとは。――フッ、やはり俺が見込んだとおりだ」
「でしょー?いやぁ、まぁ、彼氏ほしいなーって気持ちをそのまま詠んでみただけだけどね」
「いや、それでいい。心の隙間に生まれた思いを、お前は花と重ねて表現した。これこそが、ポエムだ」
「えへへ、なんだか嬉しいな。ありがとね、ポエム星人」
「いや、まぁ、大したことはしていないさ」
「あっ、照れてる。ふふっ、可愛い。私たち、お似合いだね」
「よせ、そんな奥歯が浮きそうなセリフ」
「えへへへ~」
こうしてちょっとした考えを詠んだ私は、ポエム星人として成長した実感を得たのであった――。
「……ってことを考えたんだけど、どうかな?マイフレンド。今回はけっこうロマンチックじゃない?」
「……えっ、あぁごめん。お前の私服、マツコデラックスが着てそうな色合いだなーって思ってたら聞いてなかった」
「ぽ、ぽえぽえ~!?」
~fin~




