表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「非婚主義だ」と言っていた幼馴染が婚約したと誤解して今更アピールしてきます  作者: 石竹つつじ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/27

妹にしか見えないと私を振った幼なじみの公爵家嫡男が一年後お見合い相手として現れました


「君はかわいい妹だから」


と困った顔をしてニコラスが告げる。


「今日が最後」と決めた告白は、やっぱり報われなかった。


--------------------------------------------



兄の幼馴染のニコラスは兄と同い年だった。


初恋の人でずっと特別だった。

妹じゃなくて女性として見て欲しくて呼び方もニック兄様からニコラス様に変えた。


「大好き」


最初は子どものかわいい告白で、口にするたび嬉しそうにしてくれた。


大人になるにつれいつしか困った顔をするようになってしまった。


「僕も好きだよ」


とあくまで妹に対してのそれだと分かっていた。


学院の卒業式、実の兄よりも兄らしく卒業式を観に来てくれたニックに想いを告げた。


うまくいくと思っていた訳じゃない、少しでも意識して欲しかったのだ。


けれど、妹でしかないならと以前から決めていた通りその日のうちに帝都を離れた。


両親にも相談して、卒業後は伯母の嫁いだ辺境伯の元で花嫁修行の名の下薬草学を勉強することになっていた。


万が一ニコラスに居場所を聞かれても決して教えないで欲しいこと、教えたら兄だとしても許さないと釘を刺した。


別にフラれたからと行って帝都で暮らすことはできたし、諦めずに追いかけ続けることもできた。


けれどニコラスはもう二十二歳だった。公爵家の跡継ぎでいつ公爵夫人を迎えてもおかしくない彼を、隣で見続ける自信がなかったのだ。



ーー時間が経ったら、忘れられたらいいな



辺境では魔法で花の香りだけを抽出して、街の特産物へ加工していた。

辺境伯は私の作業したものは純度が高いと大喜びで、私だけの作業小屋まで用意してくれた。


一人だけの空間が充実し、


ーー一人でも生きていけるのかも


と未来に希望を持ち始めた頃


そろそろお見合いをしてみないか、と連絡が来た。


新しい恋を始めてもいいかも、


すぐに好きにはなれなくても素敵な人だといいな


失恋の傷が癒え始めたことに、少しだけ胸が弾んだ。


指定された隣町のレストランに向かうと個室に通された。


少しして人の気配がしたので立ち上がり挨拶を始める。


「はじめまして。マラマッド侯爵家長女ヘレンと」


目を合わせようと顔を上げて、驚いた。


「久しぶり」


そこにはニコラスがいた。


ーーやっと忘れかけたのに、何も今日じゃなくても


一年ぶりに目にしたニコラスは少しだけ疲れて見えた。


八つ当たりしたい気持ちを抑えて笑顔を作り告げる。


「お久しぶりですね、ニコラスお兄様」



「申し訳ありませんが今から人が参りますので」


ニコラスはキョトンとしている。


「誰かと待ち合わせしてるの?」


と口にする。


「あー…」


少し言葉に詰まって答えた。


「…お見合いのお相手が」


なのでお引き取りを、と続けようとした言葉を遮られる。


なんだ、と呟き


「相手は僕だよ」


にっこり笑ってニコラスは続けた。


「僕と結婚しよう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ