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第3章 蒼虎吼、瞬殺

### 第3章 蒼虎吼、瞬殺

亡霊が鏡を見た瞬間、江島が青いLEDライトを点灯させた。鏡面に浮かび上がったのは、顔の皮が剥がれ内臓が露出した女の姿。


「きゃあああ!!」


亡霊が逆に悲鳴を上げ、江島の胸に飛び込んできた。《鬼オーラ+15》


「大丈夫、一緒に逃げる!」江島はお姫様抱きで亡霊を抱え、バルコニーへ走る。12階の柵際で囁く。「先に行け」


「一緒に!」亡霊の瞳が潤む。


江島は悲痛な笑みを浮かべ、亡霊の額に唇を触れさせた。「一美……生き延びて」


《鬼オーラ+20》


両手を離す。亡霊が地面に叩きつけられる音が響いた。


扉叩き霊がついに気付く、

「12階から……こいつ……逃がすふりして私を葬りやがった! このクソ野郎め!」

《鬼オーラ+30》


地面から轟く怨嗟の声が響き渡る。

「てめえ……必ず殺してやるぞ……!」


コンクリート壁を爪で引き裂きながら登ってくる亡霊に、江島は化妖カードを発動。


「寅将軍、憑依せよ!」


筋骨が鎧のように膨れ上がり、瞳が琥珀色に輝く。体内を駆け巡る妖力が喉に集まる。《神通「蒼虎吼」発動可能》


「生きてたなんて! ごめん、12階だって忘れてた!」


江島が手を差し出す。触れた瞬間、亡霊の掌から白煙が上がった。《鬼オーラ+10》


「この……畜生がっ!!」


二人の落下衝撃で地面にクレーターが形成される。亡霊の肉体がグチャグチャに潰れる中、江島は妖力を解放した。


「吼えろ―――!!」


虎の咆哮が街を揺るがす。亡霊の身体が砂のように崩れていく。《鬼オーラ+99》


1202号室で泣き崩れていた紅葉千鶴は、バルコニーから現れた巨漢に目を見開いた。


「龍くん……? それとも……幽霊?」


筋肉隆々の腕を握りしめ、千鶴は安堵のため息。「生きてたのね! この筋肉、芸術品級じゃない!」


江島が苦笑いしながらシステム画面を確認する。鬼オーラ計:224。

ははっ、これで新しい化妖カードが抽選可能だぜ。

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