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第1章 扉を叩く亡霊、化妖システム

**第1章 扉を叩く亡霊、化妖システム**

「最近天福路周辺で変質的な連続殺人犯が出現。すでに三人が犠牲に。被害者の顔は血肉が爛れています。市民の皆様は不要不急の外出を控え、不審者にご注意を!」


「昌河団地で一家五人惨殺事件が発生。周辺地域に危険が残る可能性あり」


「康荘ビルで生皮剥ぎ事件が……」


「……一体どうなっている?この北江市では毎日三件から五件の凶悪事件が?」

ボロアパートの一室で、江島龍はスマホのニュースを睨みつけていた。首筋に冷たい汗が伝う。


「しかも未解決事件をこれほど詳細に報道するとは。もしかすると……市民に危険区域を警告しているのか? あの『殺人鬼』たちは人間ではないのか?」


彼の脳裏に不気味な想像が浮かぶ。根拠のない妄想ではない。江島自身、非理屈現象を経験していたからだ。実は――彼はこの世界の住人ではなかったのだ。


前世は癌で死んだ記憶がある。目を覚ますと三歳の体になり、見知らぬ世界に放り出されていた。最初は選ばれし者と思い、人生を謳歌すると誓った。だが大雪の街で凍死しそうになった時、一人の老人に拾われたことを思い出す。


「爺さんと呼べ。これからここがお前の家だ」


老人は二年前、江島が北川経済大学に合格した直後、百万円が入ったキャッシュカードと手紙を残して消え去った。手紙の末尾には「宗門に危機が迫っている」と謎めいた文言が書かれていた。


(あの時爺さんが呟いていた「鬼に魂を奪われる」という言葉は……)


不気味な物音が思考を遮った。


トン、トン、トン


2:44。江島の部屋の向かいにある部屋、紅葉千鶴の部屋を叩く音だ。廊下の蛍光灯がちらつく中、白いワンピースの女が不自然な動作で扉を叩いている。腕の関節が錆びた人形のようにぎこちない。


「紅葉さん? 何かあったのか?」


猫眼からのぞくと、女の背中に暗赤の染みが広がっている。突然女が振り返り――腐敗した歯茎を見せて笑った。江島の左手が一瞬で氷のように冷たくなり、黒い瘴気が指先にまとわりついていた。


「くそ……二度目の人生まで狙うか」


キッチンへ走り込もうとした瞬間、脳内に機械音が響いた。


【ピン! 鬼オーラを検知。化妖システム発動】


【初期鬼オーラ100ポイント付与】



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