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1章−1

『勇者が魔王を討った』その知らせはすぐに国中の人々の耳に入った。


お城では祝勝の宴が催され、各地の街でも勇者とそのメンバーを称え、感謝した。


魔王が出現して12年。多くの国民は魔物の被害に頭を悩ませ、そして恐れていた。その元凶である魔王を討ち取った勇者たちを称える宴は三日三晩続いた。城下には勇者を一眼見ようと多くの人が押しかけた。そしてその人の波は止まることが無いようにも思た。


「いや〜、しっかしまあよくも飽きずにバカ騒ぎできるね。」

ある男が城の一室で窓から見える民衆を見ながらボヤいた。


「それは仕方がないことでしょう。魔物で虐げられた民がその苦しみから解放されたのですから。」

女は男を諌めるように言う。


2人は勇者のパーティーであり、今回の宴の主役でもある。今は休憩をいうことで一室を借りて休んでいるところである。

男の名前はローレン。この国の王子であり、幼い頃魔王が出現して以降、現場で指揮をとり本人も武器の達人として前線に出ていたほどの腕前である。女の名前はマリア。この国の国教である女神教に使えるもので、聖女の称号を得ている。彼女も幼いころに魔王が復活して以降、傷ついた民を癒すために各地を巡業していた。


2人は幼い頃からの友人でもあり、お互いにその分野では並ぶもの無しの腕前だったため、2年前に勇者パー

ティーに加入した経緯がある。


「2人ともお待たせ!」

少年が後から休憩室に入ってきた。少年は慣れない正装だからどこかぎこちなく、体もギクシャクしているようであった。


「お疲れ様です、アレン」「お疲れ!!」

ローレンもマリアも少年の方を向き労った。この少年はアレン。魔王を討伐した人物で勇者パーティーの主役である。


「遅かったじゃん、どうした。もしかしてキレイな姉ちゃんと遊んでたか?」

「バッ、、そんなわけないでしょ!ちょっとお城で迷っただけだよ。」

「ホントーか?道間違えたふりして自室に連れ込むとか」


ローレン軽口でアレンを揶揄って反応を楽しんでいる。アレンも顔を真っ赤にしながらも口を尖らせながら否定した。そのやりとりはまるで仲のいい兄弟のようにも見える。


そんなやりとりをしていると、ふとローレンの背中にぞくりと寒気がした。その殺気をとも取れる気配の主の方を振り向くと、マリアが笑いながら2人を見ている。口は笑っているが、その目はまるで笑っていない。

「ロ〜〜〜 レン??勇者様がお困りのように見えますが?あれですか?いじめですか?パーティー内のいじめは流石に許容できませんよ?」

ジリジリとローレンの方へ歩み寄る。

その動きはまるで獲物を狩る肉食獣のようであった。

「待て、待って。ちょっとした冗談じゃんよ」

ローレンは説明しつつ、視線をアレンへ送り助けを求めた。

アレンも視線には気付いていただろうが、ぷいっと明後日の方を向き、まるで我関せずを決め込んだ。

裏切り者!そんな言葉が聞こえた気がしたが、実際にその言葉を発するまでもなく、マリアに追い詰められたローレンは休憩室が説教部屋と化した床で正座をさせられるのだった。


そこには少し前まで死と隣り合わせの戦いをしていたとは思えない、ただただ仲のいい友人とじゃれあっているように思えた。


「ねえ、2人はこの後はどうするの?」

アレンは説教が終わり解放されたローレンとマリアにまるで質問しづらいことのように聞いた。そしてその質問をするためにこの部屋に2人を呼び出したのだった


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