おつかい
おひさしぶりです。(毎回この挨拶してる気がする)天城ナノです。
『…全国各地…ぞの…現れました』
「はぁ…はぁ…っ…うっ…っはぁ…」
めまいがする…息が…できない。また、か…また?前にもこんなことがあったの…か…?
その場で崩れ落ちるようにして意識を失った。刹那、文字通り空間がズレた。
僕の名前は有宮東。26歳のただの会社員だ。それなのに起きたらこんな幼女みたいな身体になってしまっていた。心当たりなんてそんなものはない。変なものだって食べてないし、変な組織に狙われているなんて事もないはず。とくに変わりのない男だ。
「はっ…はぁ」
東は意識が戻ると真っ先に自分の身体を確認した。
身体は…戻ってない。悪い夢だったら良かったのに。まだこんな身体ですごさなくちゃいけないのか。
「しっかし、あの息苦しさは何だったんだろう?」
部屋の隅々まで確認してみるが、部屋の外が明るくなっていること以外は特に変わりはなかった。
ならこの身体になって、僕の精神のどっかがおかしくなっちゃった感じなのかな?難しいことは僕分からないから、気にする必要もないのかな。
「今は…6時か。うーん、微妙」
朝ごはんを食べるにしては早い気もする時間だけど、どうしようかな。まぁ、まずは冷蔵庫を確認してから決めよう。
「冷蔵庫、冷蔵庫っ」
すこし気分が良いから鼻歌を歌いながら冷蔵庫に向かう。
がばっと開けてみると、冷蔵庫の中には…
「ビールしか、入ってない…?」
あれ?作り置きのなにかでも入っていると思ってたけど。材料すら入ってない…もしかして、昨日の僕、残ってたやつ全部食べちゃった?もしそうだとしたら今日のご飯は買ってくるしかない?
「はぁ…しかたない…コンビニで済まそう」
とりあえず靴下を履いて財布をもって玄関に向かう。しかし、玄関でひとつの問題が発覚した。
「…靴が、でかすぎる」
そう、身体が縮んだことにより靴が合わなくなってしまったのだ。
「やっぱサンダルでいいや」
そういい、夏用の靴いれからサンダルを出す。
ぶかぶかだけど、多分こっちのほうが歩きやすいんじゃないかな?
「いってきます」
自分以外誰も居ない家に言葉を残し、扉を開ける。
「さむっ…」
そうだった、今が冬ってことを忘れてた…失敗。
一旦家に戻って、防寒着を着てくる。
うーん…家にこの身体の下半身に合うズボンってあったかなぁ。
「クローゼットはっと」
クローゼットの中からズボンを引っ張り出しては違う、引っ張り出しては違うとぶつぶつと呟き続けて、ついに夏用のズボンまで探し始めた。
「これでいっか」
ようやく着れるほどの大きさのズボンを見つけることが出来た。着れるといっても、すぐに脱げてしまいそうになるほどの大きさなのだが。
こんなにぶかぶかだと風が入ってきちゃうじゃん…。でも、寒さなんて多少我慢すれば良いだけ…歩いて5分以内のところにコンビニあるんだから、そこまで我慢すれば良いだけ…。あれ?かなりキツくない?
「…よし!」
覚悟を決めろ、僕は26歳の男だろ!
玄関まで、少し脚を震わせながら歩いていく。
扉を開けるといつもの景色が広がっている…と、言うわけではなかった。
「…」
静かに、ゆっくりと開いたドアを閉じる。そしてまたゆっくりと開ける。
「…っ…?」
一瞬身体が固まったような感覚に陥る。しかし、ドアの向こうに見えるのは今まで見続けていた景色が広がっているのをみて、ひとまず安心…
「いや安心できないよ」
セルフ突っ込みを決めたところで、もう一度このドアのなぞについて考え始める。
さっきのは見間違い?…そんなことはない気がする。風が来たし。ま、まぁ、もう一回閉じてみて、そこから考えよう。
もう一度閉じて、開ける。すると…先ほどと同じような景色が現れた。
「………うん」
どうやらこのドアはこことは違う場所に繋がっているみたい。…こことは違う場所?なんか、どこぞのロボットが出すドアみたいな機能のドアだ。
それから何回かドアを開け閉めして、今までどおりなのと違うもので規則性があることが気付いた。
そんなことはいいか。まずはご飯の確保から、コンビニに行こう。
今まで通りになるように回数を合わせておいたドアを開けて、外にでる。
うん、ちゃんと外に出れた。やっぱり…寒い。
「急ご」
道中は特に変わりなかった。あるとすると多少人の視線が気になるくらい。冬ということもあり、道行く人たちはマフラーを着けていて、自分もつければよかったと半分くらいいったところで後悔した。戻るには遠いので、取りに行くことはなかったのだが。
そういうこともあったが無事到着。
店内の商品は変わらな…変わってるというか、非常食みたいなものが品薄だ。
「えっと…まずはおにぎり、お昼のことも考えて3…4つ買っていこう。野菜ジュースはっと。…あった。今日はこれでいいや」
不健康だとか言われそうな感じだけどいいんだ。夜は別で買いに行くし。
よし、会計しよう。
「いらっしゃいませ~…おや、おつかいですか?偉いですね~」
自分の番になって、少し高く感じるレジにいくとお姉さんに声をかけられた。褒められて嫌な人なんてそうそういないだろうし、僕は嬉しい側の人間だ。
つぎはゲームを始めたら以下略を約半年ぶりに書こうかなとおもっています。まぁ、みなさんご存知の通り、投稿がいつになるか分かりません。暖かい目でみてください