万年の指先
私はエーという者。
今日はちょうど一万歳の誕生日になる。
小説が大好き。でも小説は書いた事はない。
書きたいと思っても書けないものは書けないのだ。
...おや?私を見つけた宇宙人が居るようです。
―――
廃屋を調査していたエフは、厳重に保管されていた箱を見つける。中を開けてエフは感嘆の声を漏らす。
「何かのペンかな?珍しいものを見つけた」
エフは宇宙探査をしていた隊員。未知の惑星に調査に来ていたのだ。探査用に使っていた手袋を外し、ペンを手に取り話す。
「これがウワサに聞く、昔地球人が使っていた万年筆とやらか。こんな惑星にも移り住んでいたのだな」
ペンは太陽のような恒星の光で輝いて、キラリと合図を送ったように見える。エフはペンを握って言う。
「帰ったら久しぶりにこのペンでも使って小説でも書くか」
エフはこの銀河系でも有名な小説家だったのだ。
こうして、エーと言う名の万年筆は一万年の時を経て小説に使われるであろう。
今回は筆が乗りそうだ。