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ゆいこのトライアングルレッスン

ゆいこのトライアングルレッスンD〜たくみと秋祭り〜

作者: 佐藤そら
掲載日:2023/09/19

『ゆいこのトライアングルレッスンD』に投稿したものです!


毎日レッスン!2日目٩( 'ω' )و

「ゆいこ、今年も一緒に行くぞ!」


「オッケー!」


 わたしは、たくみの誘いを二つ返事で了承した。

 毎年この街で開催される秋祭り。

 ひろしと、たくみと、3人で行くのが恒例行事になっていた。


 お祭り当日、わたしは浴衣を着て約束の場所へと向かった。


「たくみ、待った?」


「ん? 今来たとこ。ゆいこ、浴衣かわいいな」


「バカっ! 何言ってんのよ!」


 本当は嬉しいくせに、素直になれないわたしがいる。また今日も、たくみの言葉を突き放してしまった。


「あれ? ひろしは?」


「ひろしは、来ないよ…」


「えっ!?」


「今日は、ゆいこと俺の二人だけ!」


 たくみがわたしを見て、微笑む。


 わたしは、当たり前だと思っていた。

 お祭りには3人で行くものだと。


「ゆいこ、行くぞ! 花火が見れる特等席!」


「え、ちょっと! たくみ!」


 たくみは、わたしの手を握ると、人混みをかき分けて足早に進む。


 どうしてこうなった?

 こんなはずじゃないのに!!

 わたしの心の中は、何故だか言い訳を探そうとしている。



 やがて、見晴らしの良い場所に着いた。

 完全に二人っきりだ。


「こ、こんなの、まるでデートみたいじゃない!」


「え? 俺は最初からそのつもりだけど?」


「へっ……!?」


 こんなとこ、ひろしに見られたらどうするのよ! そう口に出しそうになり、わたしは言葉を飲み込んだ。


 あれ? わたしったら、何を……。



 夜空に花火が上がる。

 繋がれた手から、たくみの想いが伝わってくる気がした。


「ねえ、たくみ……」


「ん?」


「たくみってさ、そのぉ……わたしのこと、好きなの?」


 勇気を出して、たくみに尋ねた時、無情にも目の前に大きな花火が上がり、わたしの振り絞った小さな声はかき消された。


「ん? わたしの……なんて?」


「べ、別になんでもない!」


 わたし達はしばらく、ただ花火を見つめていた。



 帰り道、男友達と歩くひろしの姿を見つけた。


「ひろし!」


 わたし達は、どちらからでもなく、スッと繋いでいた手を離す。


「ゆいこもお祭り? 楽しかった?」


「う、うん。そんなことより、ひろしは女の子とデートじゃなかったのね? わたしはてっきり……」


「俺がいなくて、寂しかった?」


「べ、別にそんなんじゃ……。ひろしが誰とお祭り行こうと、わたしには関係ないし?」


「俺は寂しかったよ」


 ひろしがわたしの耳元で囁いた。


「へっ……!?」


「ゆいこ、来年の秋祭りは、俺と一緒に行ってくれよ!」


 ひろしがわたしを見て、微笑む。

 横を見ると、たくみはご機嫌斜めな様子だ。


 3人で並んで歩く帰り道。

 わたしの両隣には、ひろしとたくみがいる。

 いつも塾に迎えに来てくれた二人だ。

 ひろしとたくみが、他の女の子とデートしていても平気……なんて言ったら嘘になる。

 この時間は、あとどのくらい続くのだろう。

 そう長くはないのだと、わたしは悟った。

明日は、ひろしと登山をお届けします!

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― 新着の感想 ―
[一言] ∀・)祭りっていうと僕は春や夏を思い浮かべますが、秋にあるのが通説なのかな?思ったよりドストレートな三角関係です。シリーズ作のこの先を追ってゆきます☆
[良い点] 想定外のふたりきりのデートにドギマギするゆいこが可愛いです。 ひろしが現れるとどちらからでもなく繋いでいた手を離す二人が、三人の関係を絶妙に表現されていると思います。 本人たちは心中穏やか…
[良い点] そらちゃんのトライアングルレッスンは、下野さんも言ってた通り、原点回帰だね オーソドックスな三角関係! すごいなぁ、わたし三角関係書けるかな....
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