表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/19

九話 国王


 『王の間』に呼び出されたのはキリ、イサ、トクン、そしてビジュン。


 それに同席どうせきすることになった夏公長かこうちょうは内心はらはらとしている。


 なんと言っても、王からの謝罪と王への報告の両者をねた場面である。


 夏公長である『陽吾:ヒア』は王の間にやって来た四人を見渡した。


 形式の礼の姿勢しせいをとり、王である男が「うん」と発した。


 こうべを上げた四人に、王は視線を巡らせる。



「今回貴殿(きでん)たちを呼んだのは、『緑の君』の勝手な行動をびる機会が欲しかったからだ」



 キリとイサについては、自白剤じはくざいの入った水を飲まされて倒れた。


 そしてふたりは一連の過去や思想や、くだんの簪についての質問を受けたらしかった。


 キリとイサは顔を見合い、首をかしげた。



 そのような覚えがないのは、その場で専用の術士がいたからで・・・


 また、その術士を使用したのも「緑の君」の勝手である、と・・・


 「青の君」が言っている、と言う事情だった。



 王と「緑の君」は幼馴染みであり、「青の君」は子供が産めない体質で情の仲。



「『緑の君』に先に聞いたが、自分の代りに誠の美女を見て納得したかった、と・・・」



 王は「緑の君」が、容姿を気にしていることを知っていた。


 なので明らかな美女、「緑の君」からも「青の君」からもキリの名前が出てきた。


 そして王はトクンとビジュンを見て、「同時に報告もあると?」と訪ねる。


 トクンが緊張した様子で、ビジュンは始終しじゅう自然体であった。


 夏公長は、ビジュンを王様とふたりきりにしてはならないような気がした。



「ビジュンが集めた書について、民から、自分には相談できないことだった、と・・・」



 人のいトクンは今にも泣きそうな・・・申し訳なさそうな声で報告をした。



「話には聞いているが、ビジュンだったか、正義を背負ってるのか?」


「ううん。まさよし。父上の名前~」


「ん?ああ、そうなのか・・・」


「王様って・・・名前、何て言うの?」


「ああ、宝物の宝に、ひいでていると言う意味合いでハヤブサ『宝隼:ホウシュン』だ」


 ビジュンの「あら、良い名前ね~」の態度に、見張りの武官はヒアに目配せをした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ