十四話 女宮での謎死の真相
『女宮:にょぐう』とは、王宮街の王宮に勤める者たちに色香を売る専用愛人区。
黒い茶での問題を共犯し、『華麗』から『女宮』に移って来た者たちがだいぶいる。
そしてその大半が、肝臓や消化器官の不具合を訴えた。
毒を盛っているのでは、と言うものだった。
調査に入ったのはキリとトクンで、二人は死体や患者と対面した。
そして謎の連続死について、キリは食材調達係として連絡網を使った。
導き出されたキリの推理は、不具合を起こした者たちを治療する筈の医者だった。
元、女官。
医療班にて不義の疑いで女宮で女医をしている者。
その女医はキリを見て、「貴女は美しい」とぼやいた。
そして独り言のように、「華麗たちも容姿がいいから選ばれた」と独りごちた。
その場でキリの精神的補助のために意識を張って側にいる武官、トクン。
キリは女医に、「あなたが謎の連続死の犯人ではありませんか?」と聞いた。
「証拠は?毒の成分なんで出てないだろう?」
「ホウ酸団子を作っていいのは、女宮では、医者だけです」
「それがなに?ああ、そうそう。お飲み物でもいかが?」
「黒い茶と身体の謎の不具合に見合った十四歳の娘が言いました。安物のじゃがいもだと」
「・・・え?」
自宅にて水瓶からおたまで水を湯飲みに移していた女医が、振り向く。
「その水瓶の中には・・・『女宮』では使わない安物のじゃがいものホウ酸団子が?」
「なんで分かったの?」
「失礼、確認を」
話に割って入ったトクンが、水瓶の中を覗く。
そしてそれを認めると、トクンはキリの方を見て、視線が合うとうなずいた。
「おそらく、これが証拠です」
「はい。ホウ酸団子を作っていい者の中で、安いじゃがいもを買ったのは貴女だけです」
中年太りしたお世辞にも美しいとは言えない女医が、「当たりよ~」と高笑いをした。
その犯行の理由と動機が、その心の不美が、姿に滲んでいるかのような笑い方だった。




