十弐話 シロギミの悪機嫌
『赤の君』と『シロギミ』同席の元、キリが呼び出され、入室し丁寧な礼をした。
「おもてを上げよ」と王が言って、キリが美しい顔を見せるとシロギミは唖然とした。
「お前が黒い茶を『華麗』に広めたのかっ?」
妃のその様子は、明らかにキリの美しさに焦っているようだった。
国の真珠と謳われる妃「白君」は、キリの持つ内側の美にも気づいて苛々(いらいら)している。
「答えよっ」
キリは「広めていません。どうか、『赤の君』に質問をさせて下さい」
「・・・なんだと?」
「わたくしは反対ですっ」と『赤の君』。
「静まりなさい」と王が静かに言うと、異名『若獅子』の抑揚に皆が畏れをなした。
「申し訳ありません、王よ・・・」
妃がそう言ってその場が静まると、王がキリに「質問を許す」と言った。
「はい。王様・・・『赤の君』よ、あなたは華麗に黒いお茶の危険性を説明しましたか?」
「は?部下にさせたがなんだ?」
その部屋と呼べる場所に、息を呑む音が一瞬、凌駕した。
はっとした「赤の君」が、「キリ・・・キリと言ったな!?何故死んでおらん!?」
シロギミ「確か自害したと先程報告があったが・・・」
驚愕しているキリが「同僚は・・・里に、帰ったのでは、ないのですか?」とぼやく。
泣きたい気持ちのキリがいる同じ空間で、『赤の君』が牢へと運ばれる。
『赤の君』「お前が、普通の茶葉だと言ったんだろう?同罪だっ」
高官「お言葉ですが、茶葉の箱を運ぶ折り、調べる担当は決まっていたと」
王が「どういう意味だ」と興味を示す。
高官が「はい、王様。その担当が、自害したキリの同僚かと思われます」と一礼をした。
王が「なるほど」とぼやく。
苛々としている妃が言い出した。
「『赤の君』は牢獄へ!『華麗』で黒い茶を飲んだ者も『女宮:にょぐう』行きだ!」
「そんなっ・・・わたくしが牢獄?宝石や毛皮は用意されないの?」
妃は『赤の君』を無視して、キリに「お前もただではすまさん」と声を上げた。




