表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/19

十話 黒い茶


 キリは職務中しょくむちゅう見慣みなれない黒漆塗くろうるしぬりの大きな箱を見つけた。


 両側に持ち手があるその箱を開けてみると、大量の茶葉の出現。


 片手にとって匂いをかいでみると、『普通の茶葉』である。


 そこに配達係のふたりの男が来て、「これは『華麗:かれい』のもの」と運んで行った。


 奇妙な心地がしたキリは顔をしかめ、しばらくその箱が運ばれていくのを見ていた。


 華麗、王の寵愛を実際に受けた王宮の女たちを示す総称。



 肩までの長さの髪は波型にくねっていて、その髪色は明るく毛先を赤に染めている。


 美しい面立おもだちはどちらかと言うと愛らしい部類で、年は二十三。


 胸元までの布を背中のヒモをんでめる衣を着た、「赤の君」。


 自室の豪華な椅子に座っていて、赤い扇子せんすを顔元で揺らめかせた。



 そこにいるのは、キリ。



 愛らしい声の「赤の君」が「面倒くさい。本題をさっさと言え」と言う。



「はい。王宮内で、タチの悪い『黒い茶』が流行はやっております」


「あたしは子供を産んだわ~。他の華麗さんたちも、きさきが男児を産んだからいいでしょ」


「・・・と言うことは、『華麗』で黒い茶が流行っておるのは・・・」


「・・・なんのことや?」


「その黒い茶葉を隠すために普通の茶葉を大量に輸入しているのは、『赤の君』ですね?」


 「赤の君」は怒りをあらわに、扇子を床に投げつけた。


「どこにそんな証拠があるっ?」


「『黒い茶』が流行っているのは華麗でだけでございます。それを貴女は知っていた」


「・・・は?」


「違いますか?」


「知らんわ。なぁ、誰かー?この女を殺しといてー?」


「お言葉ですが、『赤の君』・・・貴女様のご実家は、徒市への茶葉の問屋とんや


「誰かっ、今すぐこいつを殺せっ」



 部屋に現われたのはトクンひきいる『華麗』に対しての派閥はばつを持たぬ武官たちで、


 一時期拘束いちじきこうそくされた「赤の君」は王に無罪を主張しゅちょうした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ