表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

58/66

58 都市設計失敗してませんか?


 整然としていた城内とは異なり、上空から見た王都はひどくごみごみしていて、地上で歩いたときとはまるで違って見えた。正直言ってどこがどこだがわからなかった。高い建物と低い建物がごっちゃになっていて、しかも道路は曲がっていたり、行き止まりになっていたり、極めて非効率的だった。区画整理が必要かも知れないが、たぶん不可能だろう。何しろ魔族には明確な地権の認識はなく、なんとなく先に住み着いた人のもの、という程度の権利意識しかないのだ。


 俺は苦労して目的の場所にたどり着いた。南の鐘楼以外の三つの鐘楼の位置を確認して、そこから逆算的に南の鐘の場所を特定してから高度を下げて、先ほど勇者と戦った道に沿って飛び、勇者が封印されていた落とし穴が既に破られているのを確認して、再び上昇した。


 やはり勇者は既に罠から逃げてしまったようだ。


 残念な気持ちと勇者が自由であることへの不安とそして勇者と面と向かわなくてすんだというホッとした気持ちが混ざり合って複雑だったが、逃げた勇者が魔族にとって危険であることは間違いないので俺はさらに勇者を探した。上空から周囲を確認しても、姿もなく争いが発生している気配もなかったので、俺はそこから同心円状に旋回して周囲を探索した。


 影も形もなかった。

読んでいただいてありがとうございます。少しでも面白いと思っていただけたなら、ブックマークやポイントをぜひお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ