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45/66

45 作戦。


 どうすればいい?


 一個可能性があるとすると、魔術では勇者に影響を与えられないが魔術で起こした純粋な物理現象であるならば、勇者の身体を傷つけることが可能だ、という事実である。


 つまり、魔術で起こした炎は勇者の身体に触れるや消滅し、熱の伝導も起こらないが、魔術でガソリンに着火したならばそのガソリンの炎はちゃんと勇者を焼く、と言うことだ。


 だが、残念ながらぱっと見周辺に勇者の再生力を超えそうな高熱を発してくれる物質は存在しなかった。


 俺は俺の虎の巻『みかこん』の記憶の中から、勇者ミカエルがピンチに陥った場面を必死に思い出す。


 そんな風に思い出してみれば勇者ミカエルはいつもピンチだった。


 男ばかりの水浴びに混じって思わずイケメン兵士の肉体美に股間が反応してしまってあらぬ疑いを掛けられるシーンは今回は関係ないだろう。

 巨大なグリフォンとの戦いで、グリフォンは斃したものの雪崩が発生し生き埋めになり聖剣の力で雪を掘ってなんとか生き延びたシーンも、残念ながらここは雪山ではないために使えない。

 聖剣を盗まれたミカエルが、聖剣無しで剣牙族の勇士と戦うシーンは最高にピンチでミカエルは左腕を失う(のちに聖剣の力で再生する)のだが、これにはあらかじめ『聖剣を盗む』という準備が必要だ。今後の参考にはできるが今はどうでもいい。

 人間のミルディア聖王国の宰相が嫌がらせをしてきて、こちらの世界の礼儀を知らないミカエルが国王を前にピンチになったシーンもなんの役にも立たない。


 他にも旅先でお金を無くしたり、ゲイの傭兵に襲われそうになったり、迷って自軍と離ればなれになったり、滝から落ちて溺れそうになったりしているが、思い出してみれば、実は勇者ミカエルのピンチは状況的なものばかりで、肉体的なピンチはほとんどないのだった。しょせんチート系主人公なのだった。無敵なのだった。


読んでいただいてありがとうございます。少しでも面白いと思っていただけたなら、ブックマークやポイントをぜひお願いします!

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