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36/66

36 敵の武器を知っていた。


 暗殺者はまっすぐ俺を見ていた。その視線の強さに俺は後ずさる。


 敵ながら正しい判断だと思った。

 ゴーレムであるエイリッヒより、魔術を使うジーメオンの方が厄介だと気づいたのだろう。


 剣先を俺に向ける。


「うん、面倒そうな方から先に片付けよう」


 エイリッヒはもちろん、たとえジーメオンであってもあの剣に切られたらひとたまりも無い。

 なぜなら、


「……それは聖剣、ですね?」


 俺の頭の芯が冷えていた。


 何しろ俺の人生の中でここまで死が身近だったことは無い。一歩間違えれば確実に殺されるだろう。


 冷静に頭脳が回転しはじめる。


 俺の言葉に暗殺者は驚いた顔をした。


「へぇ……知っているのかい?」


 もちろん『みかこん』の知識だった。


三十二話が重複していたため削除しました。大変失礼しました。

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