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35/66

35 ギリギリ。


 エイリッヒの背後に立ち、落ちかけの戦鎚の頭部に手を触れる。


 魔術を紡ぐ時間的な余裕はないから指輪に封じられた魔術の発動。

 風の精霊による飛翔魔法の解放。

 戦鎚の頭部に俺の魔術によって影響力を高めた風の精霊が纏わり付く。


 次の瞬間、地面に向かって落ちかかっていた戦鎚の頭部が、暗殺者に向かって砲弾のように加速した。


 実際砲弾と同様の破壊力があるだろう。エイリッヒが精製した戦鎚の頭部は重さで言えば二百キロ近くあるのではないか。それが時速二百キロくらいで撃ち出されたのだ。人間に当たれば木っ端みじんだし、城壁であっても大穴を開ける程度の威力はあるはずだった。


 その『砲弾』を暗殺者は驚くべき勘の良さで身をひねって躱した。無理な体勢になったおかげで、エイリッヒを斜め下から切り裂くはずだった剣はなにもない中空を切り裂くだけで終わった。


 俺の風の魔術が撃ち出した戦鎚の頭は暗殺者の脇をかするように抜け、背後の煉瓦造りの建物を轟音とともに撃ち抜いた。


 中で暮らしている人に当たらなかったらいいな、と思ったが今は斟酌するだけの余裕はなかった。


 なぜなら暗殺者が俺をターゲットにしたからだ。

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