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3 見知らぬ天井(地味)。
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俺は天井を見上げた。地味な石造りの天井がそこにはあった。
俺が『みかこん』を好きだった理由は、何よりも勇者ミカエルのめんどくさがりだが基本的にはまっすぐな心と平和のために懸命に努力する姿勢が好きだったからだ。俺とちょっと似ているところもあり、だからこそ憧れを感じたのかも知れない。その一番好きなキャラクターの最大の敵に自分がなるという衝撃。
だが、そうも言ってはいられないのだった。大切なことに俺は気づいてしまった。あの『みかこん』のまま話が進めば最終的に俺は負け、二度と復活できぬよう厳重に封印され、封印の中で永遠の苦痛を味わい続けることになるらしいのである。さすがにそれは辛い気がする。
それを避けるために何とかする必要がある。
とにかく、打開策を考えようと思ったときにふと気づいた。
俺には肝心なここ数日の記憶がなかったのだった。
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