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28 めんどくさいけど。


 俺は渋面を作り、


「……本気ですか? 下手をすると戦争になりますよ?」

「宰相殿はひどく評判が悪い。イズラエルの会戦に敗北した二角種族を女子どもまで含め完全にこの世界から消し去ったからだ」

「他にもリシン教徒を皆殺しにしましたね。ただ二角族の皆さんについては彼らが望んだのですよ。差別していた一角族の奴隷として生きるのも選べたのですがね」


 それに実は二角族を根絶やしにしたわけではなかった。生きることを望むものは、ジーメオンへの忠誠を条件に生かした。今、彼らは角ナシというコードネームと黒づくめの全身甲冑とともにジーメオン直下の最強の親衛隊として存在している。


「うむ。いずれにせよ宰相殿とは話し合いができない、という雰囲気がある。わずかな行き違いで皆殺しにされるかも知れないならば、宰相殿にストップをかけられる魔王陛下と直接誼を結びたいと願うのは当然だ」

「なるほど」


 アグリッピーナの少女にしか見えない容貌を思い浮かべ、思わず顔をしかめたが、『腹を割って話せばわかり合える』と考えたエイリッヒの好意を無視することはできなかった。


 またほとんど会話さえなかったアグリッピーナとの会談が変化をもたらす可能性は否定できない。何しろ、相手は策士である。この会談が実現したら、それを妖樹族として最大限に利用しようとするだろう。それは、確実にジーメオンのイメージに変化をもたらすはずだ。


 それでもなおメリットデメリットを比較して逡巡したが、結局、俺は


「分かりました。アグリッピーナ殿とお会いしましょう」


 と答えた。

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