EP3 α-02
前回のお話とごっちゃごちゃになってますが仕様ですのでご安心ください←安心できない
長い休みはどうしても妙な夢と酷い頭痛で目が覚める。
退屈に感じてしまうからだろうか。
「5連休か...。」
今日で2日目。特にやることがなく、ただただ勉強する毎日。
受験とかも受けるつもりはない。
別に勉強が好きでやっているわけでもない、嫌いでもないが。
──ピンポーン
「はーい、今出ます。」
あぁ、また妙な感覚だ。
「ご無沙汰してるっス、蓮先輩!」
もう慣れたな、この感覚。
「えぇっと、ヴォルくん。」
少し驚いた様子だった。
「昨日は何してたんスか?」
「ずっと勉強してたよ。」
「あはは、相変わらずっスね。」
「ごめんなさいっス、先輩。」
「どうしたの急に。」
いまにも泣き出しそうな表情をしている。
失恋でもしたのだろうか、と思っていると僕に手をかざし始めた。
「蓮、俺が誰だかわかるか?」
急に口調が変わった。真剣な表情。
「ヴォルク・グリフォード、だよね?」
「俺は今までに名前を教えたことはないはず。」
「え?」
流れで答えてしまったが、確かに名前は知らなかった。
学校の名簿で目を通したか…。
いや、それでも顔と名前は一致しない…。
「夢と記憶が混濁し始めたか...。」
「夢と記憶...?そもそも僕のみた夢とか記憶がわかるの?」
「あぁ。」
「前に言ってた耳がいいとかいうやつなの?」
「その話はしていない。だが確かにそう、俺は耳がいい。だとしても今日蓮がみた夢の内容どころか夢の話は蓮は話してもないし、考えてもいない。」
「じゃあなんで知ってるの?」
「どうしてその状況で冷静でいられるかなぁ...。」
「ヴォルはかなり焦ってるようだけどね。」
かなり動揺しているらしい。
「はぁ...。話してほしいんだな。」
「ははは、やっぱ考えてることばれた?」
「楽しそうだな...。」
「そりゃ楽しいさ、話してくれるんでしょ?」
「あぁ、俺の知ってることちゃんと話すさ。」
非常に心配だ。
ゴールデンウィークが始まった。
蓮が同行するとのこと。
そもそもなんで蓮とヴォルが知り合いなんだ...。
これも厄介だ。
そろそろ田舎に到着するが、行きのバスでヴォルに尾行されていることに気づく←今ここ
なんであいつバスの上乗ってんの...。
かなり厄介なことになった。
そして着いてしまった。
「すまん猪野、ちとトイレ。」
「はいよー、先行ってるわ。」
さてと...。
「ヴォルくーん、ほら出ておいでー。」
「顔怖いっスよ。」
「うるせぇ。なんで来てんだよ。」
「蓮先輩がいるんだから、察してほしいところっスね。」
「あーはいはい、ストーカーね。」
「真面目に察してほしいっスね。」
「あぁ、わかってるさ。頼んだわ。」
本当に厄介なことになった。
これはゲームじゃない。そこに蓮が絡むとなると本当に厄介な話だ。
ヴォルが監視に付くほどのことだ。
早く終わらせなければな。