表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
残念美少女ツブテ  作者: 空知音
37/58

第36話 残念美少女、お城に忍びこむ

 今回のお話は、お食事中に読むのはお控えください。

 また、G耐性の無い方は、「◇」から「◇」の間は、飛ばしてお読みください。



「お姉ちゃん、狭いね」


「ホント、狭いわね」


 私とドンは、人が体を横にしてやっと通れるほどの、狭い地下通路を進んでいた。


「でも、お姉ちゃんの魔術便利だね」


 通路を照らすため、私は魔闘士のスキルを発動させている。


「あたしが欲しいのね♡」


 呪文を唱えると私の身体が青く光り、地下通路を照らしだす。

 

「あれ? 

 お姉ちゃん、何かいるよ。

 かなり力を持った魔獣だと思う」


 確かに、進行方向から何か音がしている

 かさこそいう音が。


 ◇


 私たちは、地下通路から小さな体育館くらいある空間に出た。

 私の身体がまとう光では、隅々まで照らすことができなかった。

  

「何かが、たくさんいるよ」


 確かに、カサカサいう音が、うるさいほどになっている。

 ドンが呪文を唱えると、空中に光の玉が浮いた。

 それが照らしだす光景は、戦慄すべきものだった。

 普通の人にとってだが。


 壁には全長五十センチはありそうな、巨大なヤツらがいた。

 そう、ぬめつくような黒光りする体、うごめく触角、地球のものより遥かに大きいが、それはまさにゴキ〇リだった。


「きゃー、お姉ちゃん、怖いーっ!」


 ドンが怯えている。

 おのれ、弟を怖がらせるとは許せん。


 私は魔闘士のスキルを唱えた。


「あたしが欲しいのね♡」 


 魔闘士スキルレベル1、その呪文に答えるように、Gの群れが包囲を狭める。


「え~、そんな~、あたし困りますぅ~♡」


 魔闘士スキルレベル2、さらに包囲を狭めたGに怯え、ドンが私の背中にすがりついた。


「いや~ん、こんなところでぇ♡」


 魔闘士スキルレベル3、目と鼻の先まで来たGが、私の身体が発する強い光で一瞬動きを停めた。


「ぶっ飛べっ!」


 正面にいるヤツのどてっぱらに、掌底を叩きこむ。

 

 ブゥオン

 

 青く光る私の右手が、そんな音を立てた。


 ボシューッ


 正面のGが、爆散する。

 それに巻き込まれた周囲のGが、さらに爆散。

 正面にいるヤツらは、部屋の隅にいたるまで粉々になった。


 側面、後ろのヤツにも掌底を打つ。


 ブゥオン

 ボシューッ


 ブゥオン

 ボシューッ


 ブゥオン

 ボシューッ


 部屋からヤツらの姿が消えた。

 ドンがGの残骸を魔術で圧縮、バスケットボールほどの黒い玉が十余りできた。

 玉は、私たちの周囲にフワフワ浮かんでいる。


「おっ!」


 私の体がキラキラ輝く。

 今の攻撃で、レベルが上がったらしい。

 しかし、Gを倒してレベルが上がるって……。


 ポチ(カニ)たち『『『まさに、残念!』』』


 ◇


 少し広くなった地下道は、やがて行きどまりとなり、左手に上への階段が現れた。

 それを昇ると扉がある。

 ドンが魔術を唱え、あっさりそれを開ける。

 そこは、貯蔵庫のようだった。

 生ハムの塊や、野菜が入ったカゴ、恐らく穀物が入った袋などが所狭しと置かれていた。


 買うと高い果物や生ハムをちゃっかりいただく。ゴリラバッグは、いくらでも物が入るから、こんな時には重宝する。


 貯蔵庫からさらに階段を上がると、厨房に出た。

 ちょうど仕事の合間なのか、働いているのは二人だけだった。


「あ、あなたたちは?」


 そばかす顔の少年が話しかけてくるが、それには答えず、厨房を出る。

 問題は、ここからだ。

 証拠を残さないよう、タリランさんは、私に地図を渡さなかったのだ。

 

 覚えている地図を頼りに、右の廊下をズンズン進んだ。 

 途中、執事風の人やメイド風の人とすれ違ったが、ぎょっとした顔をするだけで、私たちを止めようとする者はいなかった。

 ドンの周囲にはぷかぷか黒い玉が浮いているから、明らかに怪しいんだけどね、私たち。


 見つけた階段を上へ上へ進む。

 階段室から出ると、青い絨毯が敷いてあるフロアに出た。

 これは王族が住む区画の目印で、青色、黄色、赤色と住んでいる者の位が高くなるそうだ。

 信号機みたい。


 そして、私たち二人が黄色の絨毯を踏んだ時、前方から来た騎士に呼び止められた。


「あなた方、どなたです?」



ツブテ「この展開はっ! 作者、チャレンジ精神あり過ぎっ! いや、むしろ、無謀!」

作者「この手が、この手が……勝手に動いたんです」

ツブテ「犯罪者みたいだね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ