アネスの相棒
俺が目を開けると見慣れない木目調の天井。どうやら上手くアネスフィアに来れたようだ。確か、近くに魔方陣があると聞いた。呪文を唱えればアネスの使い魔が出てくるんだっけ?そんなことを考えていたが、鏡に写った俺の姿を見て頭の中が真っ白になってしまった。何故なら俺の見た目が前の姿と大きく変わって居たからだ。前は黒髪に黒目だが今の俺はオレンジの髪に光の角度によって濃度が変わる紫色の目。此処が異世界なのだという事が痛いほど分かる。俺が鏡を見ていると視界の端に魔方陣っぽいものが写った。そうだ使い魔を呼び出すんだった。呪文を唱えるらしいが、近くに置いてあった本に書いてあった呪文を見て俺は絶句した。もろイタイ人が唱える文章ではないか。...しかし世直しをお願いされた以上言わなければいけない。....覚悟を決めて息を吸い込んで呪文を唱えた。
「時に創世神アネスの相棒、時に生と死を司る神シェルシー、我の呼び掛けに応え今此処に姿を見せよ。」
俺が恥じらいつつそう唱えると魔方陣が淡く光はじめ、一瞬眩しい光が起こり俺が目を閉じてまた目を開けると、俺の目の前に黒い狼が目の前にいた。狼は俺の前に来た後喋り始めた。
「始めてましてだな。俺はアネスの相棒のシェルシーだ。シェルとでも呼んでくれ。ついでに生と死を司る神をやっている。アネスから話は聞いているこれからよろしく頼む。」
「あぁ。よろしくなシェル。」
「というかお前名前は何だ?」
「?田中陽太だが?それがどうしたんだ?」
俺がそう言うとシェルは「はー...マジかよ」と呟いた。
「アネスフィアは全部洋風っつーか何だっけ?かたかな?の名前しか無いぞ。」
マジかよ。俺の名前全部漢字だぞ。
全国の田中陽太様すみません。