世直しをお願いされた。
「君の居た地球?という場所では無いんだけど...。」
ほら来たよ。小説あるある。別に前の世界に未練は無いんだけどね。だから俺の返事は決まっている。
「いいよ。」
俺がそう言うと青年(?)はホッとしたように笑った。そういえばこいつ誰だ?
「じゃあ、これから行く世界について説明するね。その世界はアネスフィアといって僕が創ったんだ。」
へぇ―。え?待て待て。こいつ自分で創ったって言ったな。言ったな。青年(?)はまだ言葉を続けた。
「そう言えば自己紹介がまだだったね。僕の名前はアネス。アネスフィアは僕の名前から付けたんだよ。」
青年、もといアネスは少し誇らしげに話した。
「それでね、その世界はとても美しかったんだよ。動物や人々はとても幸せそうに暮らしていたんだ。でもねそれも少しの間だけだった。人々はより豊かな土地を求めて争いあうようになった。争いに負けたその土地の人々は奴隷に、勝った人々はどんどん自分の欲に溺れて行ってしまったんだ。情けない話だよね。自分で創ったのに管理も出来ていない。」
そう話すアネスは苦しそうな悲しそうな怒っているような複雑そうな顔をしていた。
「それでね、君にお願いがあります。」
いきなり真面目な顔をしてこっちを見てきた。お願いとは何だろう。
「君にはアネスフィアの世直しを頼みたいんだ。こちら側のミスで勝手に死なせた上に自分の尻拭いをお願いするのは可笑しい話だ。でも、もう一度。もう一度だけあの頃の様に美しい世界を見たいんだ!」
そう言った後、アネスは頭を下げて来た。




