二
店内は薄暗くカウンターと小さなテーブル席が二つあるだけだった。
「いらっしゃいま…まぁ舞桜ちゃん?同伴?」
俺と同じぐらいの年の女性がカウンター越しに声をかけた。
「同伴?」
俺と一緒に入店したんだから…同伴と言えなくもない…
ただ、俺を店へと誘った彼女は、いまいち理解していないらしく…
いや、口元軽く上がり、薄笑いを浮かべ始めた。
だいぶ物事を理解するのに時間のかかる女なのかもしれない…
「うん!そうなの同伴なの!だからママ!バイト代は…」
「同伴の了解もらったの?」
「了解?」
「はぁ…まぁいいわ…舞桜、テーブル席にお客様を案内して…」
「着替えて来てからじゃダメ?」
まぁ、そうだろうなぁ…彼女はジャージ姿で…しかも黒一色…
背は小さく、顔立ちも幼い…というか、色々な意味で体を構成している部位が小さいのだ…もしかしたら、未成年かもしれない…そう思った俺は、ヤバイ店に入ってしまったのかもしれない…。
早々に店を出た方がよさそうだ…
「しかたないわねぇ…お客様奥の席にどうぞ!」
と、カウンター越しに席に座るように促され…って、ママの接客も問題有りのような…
席に座りかけたが、このまま座ったら、明日まともに会社に出社出来ないような予感がして…とりあえず、トイレにでも行って、隙を見てトイレの窓から逃げてしまおうかと考えた。
でも、いきなりトイレは怪しまれるかもしれないし、…
「ママ!着替え来るね!」
そう言って彼女は店の奥へと消えていった。
今がチャンスかもしれないし、…
「トイレお借りしてもいいですか?」
「左奥にあるわよ」
俺はトイレに入った。
便器の上に足をかけ引き違いのアルミサッシを外して、気付かれないように外にでようとしたが、外は真っ暗で地面の様子が分からなかった。




