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第三十三話⚫罠と大技
「ハァ、ハァ、ハァ、思考加速がこんなに疲れるとは思わなかった」
思考加速を連続的に10分もの間使い続けた事は無かったが、ここまで疲労させるものだとは気付かなかった。
考えてみれば当然だろう、思考が強制的に加速され情報量もそれだけ膨大になるのだ疲労して当たり前だ。
俺は自分の思慮の浅さに嫌気が差すが、目の前の敵に集中する。大岩は疲労するどころか更に殺意を漲らせ、こちらを威嚇してくる。
グワァァァアアアア!!
大岩は叫び声をあげると突進してくる、俺は何度目かのサイドステップを行おうとしたその時、大岩は確かに笑った。
俺のいた足場が突然沈んだのだ、急な地盤の沈下に対応出来るわけもなく俺は転ぶ。
多分魔法の一つだろう、まんまと奴の罠に嵌まってしまった。大岩の大口がこちらに向かってくる。
大岩は勝利を確信した喜びか眼を細める、そして俺を呑み込もうと体勢を低くした、その瞬間に俺は声を張り上げる。
「リーフ今だ!!」
「はい!三十連ライトエクスプロージョン!」
その瞬間大岩の口の中で三十にも及ぶ連鎖爆発がおこった。




