第二十二話⚫ご主人様と上位種の役目
魔力察知でスライムを見つけ出し、俺は会話をしようと近付いている。
相手もこちらに気付き、警戒しているのかプルプルと震えている。
息を吸い込むと言葉を紡ぐ。
「こ、こんにちは」
相手は間を置きながらも返してくれた。
「、、こんにちは」
俺は今猛烈に感動している!この世界に来て初めて会話が成立したのだ、嬉しくて当然だろう。
そんな感動している俺をよそに、相手は更に話しかけてくる。
「え~と、貴方もスライムですか?形はソックリですけど、色も違うし核もないですよね?」
確かに俺は他のスライム達とは、色々違う所があるので説明をすることにした。
「俺は間違いなくスライムですよ、核は元々無かったですけど、色はグレートスライムだからだと思います」
「ちょっと待ってください!?今グレートスライムと言いませんでしたか?」
「言いましたけど」
グレートスライムは駄目だったのか?
「ほ、本当ですか?」
「本当ですよ」
嘘なんかついても仕方ないしな。
「わ、わ」
わ?
「私を配下に置いてください、ご主人様!」
俺の耳はおかしくなったようだ、、、いきなり配下に置いてくださいご主人様何て聞こえてきた。
スライムはそんな現実逃避する俺をよそに、自分のセールスポイントを話始める。
「戦闘は得意ではないですけど、魔法が使えます!やる気だけなら誰にも負けません!」
「少し待ってくれないか、どうして配下にしてくれと頼んだのかを教えて欲しい」
「スライムは自慢では無いですけど最弱ですよね、ですから私達は極稀に生まれてくる上位種にリーダーをして貰い危険から守ってもらうのが普通なのです」
「ですから、上位種のハイスライムより強いグレートスライムであるご主人様にお仕えするのは、当然のことなのです!」
スライムは嬉々として話してくれる。そしてようやく俺はスキルリーダーの素質の意味が分かった。上位種になると群れを率いるのが、この世界での常識なのだろう。
俺は面倒なことになったと思いつつ、これからどうするか頭を抱えるのだった。




