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期待外しの社にて⑧

同じ原因により、バイガン達の呪は外国に行ったらほとんど功をなさない。宗教が違うため、信じてくれる者が周りにいないからだ。


怪異というもの自体が存在しないと思い込んでいる人々が多いのは仕方のないことだ。何を隠そう、存在していた怪異を潰してきたのは他の誰でもないバイガンら神職に関わる人間たちなのだから。

怪異と闘い討ち滅ぼす繰り返しにより、人々が怪異を目の当たりにする機会が減ったのだ。見たこともないのを信じろというほうが無茶だ。


(老害どもが、時代の流れを読めていない)

バイガンは辟易としていた。

烏傘などの現場にいり人間ではない、役人と一緒にふんぞり返っているお偉方ほどそういう傾向がある。自分達はいまだ国民の敬意の対象であることを信じて疑わない。実態は、存在していることすら殆ど知られていないというのに。



ダミーである石のそばに、本命である瓶が置かれた。

同じように符で固められているにも関わらず、石と瓶では漂わせている雰囲気がまるで違う。

石はただ冷たいだけだが、瓶は湿った熱を持っている。まるで、瓶が生きているようだ。


「開けるぞ」

バイガンが瓶の蓋に手をかけた。



緊張が高まる。

蝉の鳴く声がけたたましい。

厳重に貼られた札を剥がしていると、獣臭が強まるのを感じた。


烏傘は手が震えた。

弱体化したとはいえ、はたして二人だけであの魂外しを滅することができるだろうか?

かつてこの怪物と戦ったことのあるだけに、恐怖を拭えなかった。






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