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期待外しの社にて⑦

さほど重いものではないはずだが、烏傘が汗をかきかきしながらも持ち上げられないのを、見かねて手を出した。

そして、持ち上がらない理由がわかった。瓶に手を添えただけで、力を吸われるような脱力感に襲われた。


「長く触っているのはマズい」

バイガンは引き摺ることにした。

くず箱大の瓶を境内の中央に引き摺り出すのに、男二人がかりで数分かかった。見るからに異常な景色だ。


「ふう、おかしい。ふうふう…

もう十年は大丈夫だと言われていたのに…」

烏傘は汗をかきながら文句をこぼした。封が弱まるのが、予想外に早い。


「神仏を信じる者が、それだけ減っているのさ」



この手のしゅというもの(良いものも悪いものをひっくるめてそう呼ぶ)の多くは、人々に信仰されているかどうかが効力に影響する。どんなに強い呪でも、誰も信じない畏れないようでは威力を発揮しない。

外法と呼ばれる禍々しい術式が酸鼻をきわめる方法で行われるのも、そういう理由がある。恐怖を抱かせるような方法をわざととることで、術式を見知って怖れる者を増やすことで、より強い力を得るのだ。


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