私、パパの思う通りの娘になんかならないよ
「パパはいつも私に押し付けてきた……でも、私、パパの操り人形になんかならないよ」
娘はそう言った。
「俺の言うことを聞けよ……そうすれば、人並み以上のライフを過ごせるんだぜ」
「いやよ! 帰ってきたら、一切やる気なんかないわよ」
「あのなあ、お前……それだときちんとしたライフが過ごせないぜ」
「なによ、それ! キモ!」
「なんだ、それ! キモ?」
「まねしないでよ!」
「あのなあ......俺はまともなライフを過ごさせたいと考えているんだぜ」
言いつけを守らせることは、簡単ではない。俺のいう通りにライフを過ごせば、人に迷惑をかけなくなる。彼女にはそう言い聞かせてきた。でも、それが良くなかったのだろうか。
「今どき、そんなことを女にやらせるのかしら?」
「今どきって.......こういうことは昔から、やらにゃあいけねえんだぞ!」
この娘は、この女はまったくやる気がないらしい。こうなったら、昭和のドラマを見せたろうか....そう思って娘をもう一度睨みつけた。やはりこの娘は、馬耳東風だか馬の耳に念仏だか.......
「何? それ?」
「あのなあ、俺がいなくなったら、お前、どうするんだよ」
「わかってる、うるさい」
「ほんとかよ! それならすぐやれよ!」
「あとで!」
「わかっているのか? わかっているなら実現してほしいもんだね」
あれ、心の中の声が、口に出ていた。これは拙かった。
「へえ! そんな口がこの家で聞けるのかしら? ほら、あんたの恐妻が睨んでるわよ」
一通りの言い合いが終わると、俺は背中に冷や汗が流れていた。他方で、先程まで娘が寝転んでいたリビングを見て、溜息がでた。
ここもついに、脱衣所やウォークインクローゼットの様になってしまう。そう、彼女の部屋のように、脱ぎっぱなし、出しっぱなし、放りっぱなし、ちらかしっぱなしのスライミー窓ホールに。
ああ。




